
新型コロナウイルスによる肺炎が拡大する中、日本の内外でその予防、阻止、周辺業務の支援に動くスタートアップの動きがいくつか発表されているので、まとめてみた。本稿は必要に応じて更新する可能性がある。
【国内】
- リモートワーカーのパフォーマンスを可視化する「Remonade(レモネード)」を無料一般開放
10日ほど前に正式ローンチした、リモートワーカーのパフォーマンス可視化ツール「Remonade(レモネード)」。出社制限や出社禁止等の対応が一部企業にとどまる中、それらの対応を促進すべく Remonade を当面の間、無料一般開放すると発表した。
- 医師に直接メールで健康相談できる「ELPIS(エルピス)」を期間限定で無料一般開放
メンタルヘルステクノロジーズが提供する、医師に直接メールで健康相談ができるサービス「ELPIS-ケアーズ Lite」を2月末まで個人向けに無料開放。新型コロナウイルスに関する相談を受付ける。医師からの返信は、24時間以内(土日休日)に相談者に届く。
- Spectee、SNS 情報をもとに新型コロナウイルスによる肺炎の広がりを解析するシステムを開発
Spectee(スペクティ)は、Twitter や Facebook などの SNS 情報をもとに新型コロナウイルスによる肺炎の広がりを解析するシステムを開発した。あわせて、関係機関に納入したことも発表している。
- ドコデモ、リモートワーカー向け仮想デスクトップ SaaS「どこでもデスクトップ」を無償提供
ドコデモは、リモートワーカー向け仮想デスクトップ SaaS「どこでもデスクトップ」の無償提供を開始した。どこでもデスクトップは、端末のデスクトップ環境をサーバ上に集約し稼働させる仕組み。ユーザは時間課金型 SaaS として使える。同社は昨年11月、PKSHA SPARX アルゴリズム1号ファンドとエンジェル投資家複数から6,000万円超を調達し、正式サービスをローンチした。
【中国】
- 医療系チャット・相談アプリの動き
Chunyuyisheng(春雨医生)、Alibaba(阿里巴巴)系の「AliHealth(阿里健康)」、PingAn(平安)の「GoodDoctor(好医生)」、Tencent(騰訊)系の「WeDoctor(微医)」など、主にチャットを使った医療相談プラットフォームは、武漢市の保健当局(武漢市衛生健康委員会)からの要請を受けて、新型コロナウイルスに関する対応を始めた。
急激な感染者や発症者の増加に病院が対応に追われる中で、簡単な相談や予防のアドバイスについて、武漢に限らず中国各地にいる医師が協力できることで効率的。また、非感染者が不用意に病院に行くことを避けられ、二次感染が起きることを防げる効果も期待できる。
「智雲健康(Zhiyun Health)」は、省ごとに感染状況をまとめたサービスを提供している。
- Huawei(華為)や ZTE(中興)による〝5G医療〟
武漢に建設された臨時病院2つのうち1つには、Huawei(華為)や ZTE(中興)などが協力し 5G ネットワークが配備された。武漢から西に1,200キロ離れた成都にいる医師が、武漢の患者を遠隔で診察できるようになっている。また、武漢の病院の建設現場のライブ映像も確認できる。
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【その他】
- 注目を集めるカナダの AI スタートアップ BlueDot
航空券データを使って、コロナウイルスが世界に広がる数やスピードを予測した BlueDot が注目を集めている。中国政府が発表するよりも、一ヶ月以上早く現在のような状況に陥ることを予測していたという。
- イスラエルの Sonovia、酸化亜鉛を繊維にコーティング、抗ウイルス性を向上
マスクや防護服の繊維に酸化亜鉛をコーティング、抗ウイルス性を向上させようとするスタートアップ。
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