水産養殖技術のウミトロン、愛媛の海でブランド魚を育てる赤坂水産とクラウドファンディングを開始

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赤坂水産の三代目(予定)赤坂竜太郎氏
Image credit: Akasaka Suisan

シンガポールと日本を拠点に水産養殖技術を開発するウミトロンと、愛媛・西予を拠点にヒラメや真鯛の養殖業を営む赤坂水産は10日、「READYFOR」上でクラウドファンディングを開始した。目標調達金額は、60日間で300万円。両社では調達資金を使って、赤坂水産の養殖生簀にウミトロンのスマート給餌機「UMITRON CELL」の最新モデルを設置、この取り組みを通じて養殖魚の成長評価や支援者へのリターンを行う。

赤坂水産は1953年の創業。当初はヒラメ漁をしていたが、天然資源が減っていくことを懸念した初代が養殖事業に転換。現在は二代目と三代目(予定)が白寿真鯛と横綱ヒラメというブランド魚を作り出した。給餌作業の最適化と省人化のため、三代目は当初自らスマート給餌機の開発を検討していたが、その過程でウミトロンと出会ったという。

ウミトロンの共同創業者でマネジング・ディレクターの山田雅彦氏は、今回のクラウドファンディング開始について、BRIDGE のインタビューに次のように答えてくれた。

ウミトロンは養殖向けに技術提供することで生産の効率化に取り組むことから始めたのですが、業界を知れば知るほど、既存商流の問題や消費者への認知不足からサプライチェーンの末端にいる生産者にあまりお金が落ちていないという問題を感じるようになりました。

ウミトロンとしても技術提供をしようとするとどうしても、財源のある大手企業が中心となり、こだわりを持って生産に取り組む中小規模の事業者の支援はなかなか難しいというのが実態です。

これからは生育支援に加え、テクノロジーを起点にこだわりを持って育てられた魚について正しく消費者に伝え、生産者にとっても消費者にとってもプラスな仕組みを作っていきたいと思い、クラウドファンディングへの着手に至りました。

Image credit: Umitron

赤坂水産では熟成魚の旨味を引き出せると究極の血抜き法「津本式」を採用しているが、今回のクラウドファンディングのリターンとして、津本式を考案した津本光弘氏が参加する養殖生簀で釣りをするツアーも提供される。赤坂水産では、UMITRON CELL の採用で、AI 化で地方と水産業が抱える人手不足の壁に挑むとしている。

本稿執筆時点で、本クラウドファンディングへの支援総額は21万円超に達している。

ウミトロンは2018年、産業革新機構、D4V、藤代真一氏、松岡剛志氏のほか、未来創生ファンドなどからなどから総額12.2億円を調達している。昨年には、米州開発銀行(IDB)グループの IDB Lab から総額200万米ドルを調達し、ペルーのチチカカ湖で UMITRON CELL を使ったサーモントラウト養殖の効率化による地域経済活性化支援を開始した。また、世界最大のエビ養殖事業者である CP Foods と提携し、エビ養殖場での PoC を開始した。