5年前に「次の疫病大流行」を危惧していたビル・ゲイツ氏、新型コロナに関する31の問に答える

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ピックアップ:31 questions and answers about COVID-19

ニュースサマリー:3月18日、マイクロソフト共同創業者で現在はBill & Melinda Gates Foundation (ビル&メリンダ・ゲイツ財団)にて慈善活動に力を入れるビル・ゲイツ氏は、Reddit上にて新型コロナウィルス(COVID-19)に関する「Ask Me Anything (AMA) 」を実施した。AMAでは、同財団を通した活動方針を交えながら、パンデミックに対していかに向き合い、収束へ導くべきかを中心に回答している。

話題のポイント:2015年、ビル・ゲイツ氏がTED TALKにて講演した「The next outbreak? We’re not ready(もし次の疫病大流行(アウトブレイク)が来たら?私たちの準備はまだ出来ていない)」がまさに現在世界を股にかけたパンデミックと重なっていると話題になっています。

同講演では、私たちの世代が最も恐れ準備を進めるべきなのは「戦争による核爆弾」ではなく「空気感染するウイルス」であることが論じられています。

エボラウイルスがアフリカ大陸で蔓延した事例を基に、いずれ近い未来に起こり得る世界的パンデミックへの対抗策を今すぐに始めなければならない、また、エボラウイルスは空気感染しないかったのは偶然的なだけで、いつ空気感染するウイルスがアウトブレイクするかは未知なことを理解しなければならないと強調しています。

以下は、今回のReddit上でのAMAを一部抜粋したものです。パンデミックで最も恐れること、最大の解決先はどこにあるのか?という問いですが、この質問に対する答えは、5年前となる上記TED TALKでも明確に語られていました。

Q : 私たちが今起きているパンデミックで最も恐れるべきことは何なのでしょうか?また、これら悪循環を抜け出す希望はあるのでしょうか?

A : 今、最もパンデミックが進んでいるのは先進国(裕福国)がほとんどです。そのため、きちんと統制のとれた感染確認フローやソーシャル・ディスタンシング(シャットダウン)を実行に移せれば2〜3か月で最小限に抑えられるはずです。もちろん、それに伴う経済損失も大きいですが、私が最も恐れているのは、貧困国におけるパンデミックの収束手段です。彼らにとって、ソーシャル・ディスタンシングは容易ではないですし、医療施設も充実していません。

政府機関がある程度の統制を取れ、医療機関が充実した先進国であればパンデミックにおける最大の対策である「ソーシャル・ディスタンシング」を選択できるため、大きな心配はないとしています。TED TALKにおいても同様の回答を残しており、同氏はその際も「Poor Countries (貧困国)」への医療環境を整えることが、最大の対策であると当時から触れていました。さらに同氏は講演にて、世界規模のヘルスケアシステムを整えなければならないと触れており、その理由に関しても今回のAMAにて回答しています。

Q: いつ、COVID-19は終わりを迎えるのですか?

A: グローバルに絶対数をゼロに近づけるためにはワクチンの存在が欠かせません。裕福国は適切な太陽によって感染の絶対数を減らすことが可能です。しかし、貧困国にとってそれは容易くありません。そのため、ワクチンは絶対不可欠なのです。そうした国々へワクチンを必要数届けるため活動するGAVIという団体が、重要な役割となるでしょう。

同氏はTED TALKにて、現代社会がスペイン風邪が起きたような1910年代とは比較にならないほど情報伝達性や医療発展に恵まれていると述べています。しかし、最も重要なワクチンについては、これを貧困国へ届け、診断・研究開発が実施できるシステム構造が整備されているとは言い難いとしています。これがまさに現段階における問題点の核心であるというのがゲイツ氏の指摘なのです。

さて、ビル&メリンダ・ゲイツ財団も今回のCOVID-19対策には積極的なかかわりを見せており、新型コロナウイル感染の是非を自宅で検査可能なキットの配布も近日中に実施することを明らかにしています。

マイクロソフトにおける取締役を正式に退いた同氏が、現在進行形で進むCOVID-19に如何に関わりを見せ、「The next outbreak? We’re not ready」にて述べた世界的ヘルスケアシステムを構築していくのか非常に興味深いです。