新型コロナを5分で診断、ポータブル検査機器にFDAが緊急利用許可を発行

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Image Credit:Abbott

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ニュースサマリ:イリノイ州で医薬品およびヘルスケア製品の製造を手掛ける「Abbott」は3月27日、米国食品医薬品局(FDA)から緊急利用許可(EUA)を発行し、新型コロナウイルス(COVID-19)の検出のための「ID NOW™COVID-19」を今週から提供を開始する。

ID NOW™COVID-19は陽性は5分、陰性なら13分で結果をその場で提供できるポータブル機器であるため、医師のオフィス、緊急治療クリニック、病院の救急部門など、幅広いヘルスケア環境で提供可能。同社は先週別にEUAを取得していたm 2000 ™ RealTi m e SARS-CoV-2 とID NOW™COVID-19の2つのプラットフォームを用いて、4月から1カ月あたり約500万の検査を行うことを目標としている。

話題のポイント:検査に対する捉え方は医療崩壊と隣合わせのため、国や地域によって様々です。WHOは「感染拡大を防ぐためにできる限り多くのPCR検査を実施しなければならない」とするのに対して、日本では感染拡大のルートを防ぐことを国民に要請しつつ、オーバーシュートした場合でも医療提供体制を維持し、ロックダウン(都市封鎖)を引き起こさないように感染症の症状に合わせて対処する、という姿勢を示しています。

どちらがベターかは事が収まった時にしか分かりませんが、いずれにせよ、医師が必要と判断する場合に検査がより正確で迅速にできることに越したことはありません。今回の発表は、4月から1カ月あたり約500万の検査を行える能力を手にし、リソース不足改善の朗報と言えるでしょう。

ID NOW™COVID-19は唾液と粘液をサンプルに、ウイルスのRNAを読み取る分子検査です。サンプルは韓国や欧米ではドライブスルー方式の検査と同様ではあるものの、結果まで数時間かかっていた時間が5分程度になる衝撃は大きいです。有事においては透明性やデータがなによりも大事です。消費者から信頼を得る上でも、事を終息させる上でもそれは変わりません。

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