ブロックチェーンで企業の情報統合をスムーズにする「Baseline Protocol」、EY・Microsoft・ConsenSysらが提携

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Image Credit : ConsenSys Blog

ピックアップEY and ConsenSys Announce Formation of Baseline Protocol Initiative to Make Ethereum Mainnet Safe and Effective for Enterprises

ニュースサマリー:3月4日、大手会計事務所「EY」とEthereumエンタープライズ企業「ConsenSys」、そして「Microsoft」が提携を発表。同3社は今後、Ethereumパブリック・ブロックチェーンを活用し、企業の安全かつ低コストなビジネス推進をサポートするオープンソース・イニシアティブ「Baselin Protocol」を共同運営・開発していく方針を示した。

同プロトコルは、導入企業が機密データをパブリック・ブロックチェーンに記載する必要なく、ビジネスを推進することを可能とする。

企業は一般的に、基幹業務システム(ERP)や顧客管理システム(CRM)、及びその他の内部記録システムに対し莫大な予算を費やしている。ただし従来、これらのシステム同士を適切に統合しようとするのは、争議や在庫損失、資本コストの増大、規制措置、その他の情報漏洩など、大きな技術的問題と無駄を生みだすことが問題視されていた。

しかしBaseline Protocolは、Ethereumパブリックチェーンを活用し、これらのシステムを代替する共通のリファレンス・フレームを実現。また同システムはオープンであり、企業らは同システムを自由に、好きな分だけ利用可能である。

話題のポイント:企業間でのデータ基盤の共有は、以前からブロックチェーン業界で注目されているアイディアでした。しかし企業間でお互いの機密データが必要以上に漏洩してしまうという懸念が、これまでこの類のプロジェクトの進展を阻んでいました。

だからこそ、同問題の解決を実現するBaseline Protocolは画期的なのです。振り返れば、実はEYは過去2年間に渡り、企業のブロックチェーン活用に関連する諸問題を解決するため、様々な調査・研究及びプロジェクトの推進を行ってきた実績を持ちます。

またEYとConsenSys、Microsofの3社でEthereumパブリックブロックチェーンを活用して共同でプロジェクトを推進するのは、今回が初めてではありません。2019年には、サプライチェーンにおけるリアルタイム・ディスカウント・プロジェクトが同3社によって共同で実施されています。

つまり彼らは、一度共同でブロックチェーン・プロジェクトを共同開発した経験があり、ユースケース創出のナレッジを蓄積しているのです。

同プロトコルは、エンタープライズ・システムベンダーやクラウドサービス提供事業者などを利用者として設計されているといいます。また現在同プロトコルのコードは初期のテスト・グループ向けにのみ利用可能ですが、今月中にはパブリックに公開される予定です。

 

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