KDDI∞LaboがclusterでVRデモデイを開催、「5Gを接着剤に」大企業とスタートアップの協業を促す新体制を始動——協業4プロジェクトを披露

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KDDI は24日、第13期目となる KDDI ∞ Labo のデモデイを開催した。新型コロナウイルス対策のため、今回のデモデイは VR イベントプラットフォームの「cluster」を通じて実施され、その模様は YouTube Live、Facebook Live、Periscope で中継された。すべてのプラットフォームを通じての視聴者は、数百名程度に達したとみられる。KDDI ∞ LABO が cluster を使ってピッチイベントをオンライン・バーチャル開催するのは今回で2回目。

KDDI はこの日、スタートアップ向けの事業支援プログラム「5G for Startups」と事業共創プログラム「∞ の翼」を発表した。KDDI は今日3月26日から日本国内主要都市で 5G サービスをスタートさせるが、「5G を接着剤に」として、「KDDI ∞ Labo パートナー連合」に参加する大企業46社とスタートアップの協業を促す。

5G for Startups は、予算がついている大企業の商用プロジェクトにスタートアップを参加させることで、スタートアップによる 5G サービス創出を狙う。5G による既存事業のアップデートや、5Gを活用した革新的なビジネスモデル創出を目指すスタートアップを対象に公募を受け付け、選考されたスタートアップには、パートナー連合から事業支援アセットを提供する。

∞ の翼は、大企業各社で進行中の新規事業プロジェクトを公開し、各プロジェクトごとにスタートアップとの事業化を推進する共創プログラム。∞ の翼の第1弾として、「5G × コミュニケーション」「5G × 商業施設」「5G × テレビ番組」「5G×スタジアム」の4つの事業共創プロジェクトと、それに参加する大企業とスタートアップが紹介された。

5G × コミュニケーション

  • テーマ: 新たなイベント観戦、コミュニケーション体験の創出
  • プロジェクトオーナー: ミクシィ、KDDI
  • 提供アセット:マーケットイン(ミクシィ)、5G 通信環境(KDDI)

取り組み内容:

  • リアルなアバターにて、現実世界とバーチャル世界を溶け込ませる新しいエンターテインメント体験
  • 観客と主催者・演者とが、双方向でコミュニケーションし、皆で盛り上がることができる演出
  • 自宅やお店、パブリックビューイングなど、遠隔地からでも会場とインタラクション可能になる仕組み

採択スタートアップ: VRC

SNS に始まり、現在はソーシャルゲームデベロッパとしてのポジションを色濃くするミクシィだが、ポストソーシャルゲーム時代の新たなキラーコンテンツ開発を加速すべく、スタートアップとの共創を狙った「CROSS ACCELERATOR」を先日公開した。同社では、このコンテンツ開発にリアルアバター、アバターを使ったデジタルとリアルを地続きにするデジタルツインが必須と考えているようだ。

VRC は、実在する人物の全身 3D モデリングを行い、わずか20秒でリアルアバターを作る技術を有する。実際に今回のデモデイで使われた登壇者のアバターも VRC の技術を使った作られた。コストパフォーマンスを重視しており、一度取得したアバターデータを複数アプリケーションで活用できる。バーチャルフィッティング、服装コーディネート、エンタメコンテンツなどへのの適用を狙う。

5G × 商業施設

  • テーマ: 商業施設の運営効率化や新たなお客さま体験の創出
  • プロジェクトオーナー: 三井不動産、KDDI
  • 提供アセット:ららぽーと他商業施設(三井不動産)、5G 通信環境(KDDI)

取り組み内容:

  • 自律移動型ロボットを活用した、商業施設の新たな警備システムの開発
  • 5G 通信環境を活用したサービス・ビジネスモデルの開発
  • その他、商業施設の運用効率化や新たなお客さま体験の創出

採択スタートアップ: SEQSENSE

三井不動産は、ららぽーとに代表される商業施設運用部が中心となり、警備・清掃・設備保守点検などの運営コスト低減につながる事業共創案、快適なショッピング体験の創出、5G を生かしたイベントの催事向けエンターテイメントなどの提案を求めた。

2016年に設立されたロボティクススタートアップの SEQSENSE は、スターウォーズの R2-D2 のような機能性を持ったドロイドロボットを開発しており、自律移動型警備ロボット「SQ-2」は、オフィスビルのほか羽田空港にも導入された。周辺環境や自己位置の把握技術で群を抜いており、ソフトウェア、ハードウェア、アルゴリズムを一気通貫で提供できることを強みとする。

3社では、テクノロジーを駆使した安心快適な商業施設の創造を目指す。2020年度は、三井不動産所有商業施設で 5G 環境を使ったロボット警備システムを開発、2021年度以降、異常検知と連動した動作の実現、警備ロボットの屋外展開、清掃や運搬など警備以外の領域への活用を目指す。

<関連記事>

5G × テレビ番組

  • テーマ: テレビ番組と連動した新たなビジネスの創出
  • プロジェクトオーナー: テレビ東京
  • 提供アセット:シナぷしゅ(テレビ東京)

取り組み内容:

  • 放送番組内容と連動し、放送局としての新たな商品やコンテンツの開発に結び付く事業共創

採択スタートアップ: トラーナ、ピースオブケイク

テレビ東京は、乳幼児向け子供番組「シナぷしゅ」を制作している。子供向け番組としては、NHK の E テレ(旧・教育テレビ)が先行するが、赤ちゃん目線を徹底することでオルタナティブな位置づけを目指しており、実際に子供を持つ複数のテレビ東京社員がプロデューサーを手掛けている。テレビ東京系列の全国ネットで昨年末にパイロット版を放送、今年4月からは月〜金に本放送が開始される予定だ(午前7時35分〜午前8時、現在「朝の! さんぽ道」が放送されている時間枠)。

一方、スタートアップであるトラーナは、おもちゃのレンタルサブスクリプションサービス「トイサブ!」を提供している。月額3,340円(税抜)で、2ヶ月毎に古いおもちゃを返却し、新しいおもちゃが送られてくることが特徴。子供にどんなおもちゃを選べばいいかわからない親のために、子供の成長や2ヶ月毎の親からのフィードバックに応じて、最適なおもちゃが提案される。

テレビ東京では、シナぷしゅの視聴者で構成されたオンラインサロンをピースオブケイクの「note」を使って構築し、トラーナの協力の元、シナぷしゅ視聴者の意見を取り入れた「令和の時代の新たな知育玩具」の創出を目指す。

<関連記事>

5G × スタジアム

  • テーマ: スタジアムにおける新たなスポーツ観戦体験の創出
  • プロジェクトオーナー: KDDI、名古屋グランパスエイト
  • 提供アセット: 豊田スタジアム(名古屋グランパスエイト)、5G 通信環境(KDDI)

取り組み内容:

  • 試合のスタッツや観客の盛り上がり具合などをリアルタイムに可視化
  • 会場外のスペースも使い、場内と同様の熱量で観戦できる仕組み
  • 試合前や試合中に、客席からでもスマホで操作できる、双方向型のイベント演出

採択スタートアップ: ENDROLL

プロサッカーグラブを運営する名古屋グランパスエイトは、一度のゲームでに数万人のファンが訪れるスタジアムで、これまでになかった興奮の提供を模索している。新たなスポーツ観戦体験の創出により、ファンエンゲージメントを高め、より多くの顧客により深くゲームを楽しんでもらうことを狙う。

このテーマに採択された AR スタートアップの ENDROLL は、イマーシブな(没入型の)AR エンターテイメントプラットフォームを開発している。世界最大の AR コミュニティ「AWE」の東京イベントのオーガナイザーを務めるほか、先月にはタイトーと協業し、新たな AR エンターテイメントを開発することを明らかにしている。

今回の協業で、ENDROLL は、ファンによる多人数同時参加型のイマーシブエンターテイメントを開発するとした。名古屋グランパスエイトのサッカー選手たちが、サッカー選手という道を選ばなかった時のストーリーをフィクション仕立ての AR 体験コンテンツの形で提供するようだ。観戦前コンテンツを充実さえ、豊田スタジアムをテーマパーク化したいと意気込む。

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