Tencent(騰訊)、Zoomライクなビデオ会議アプリ「Voov」の世界展開を開始

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「Voov」
Image credit: Tencent(騰訊)

在宅勤務が世界的に浸透する中、ゲーム大手の Tencent(騰訊)は24日、ビデオ会議ツール「Voov(騰訊会議)」のグローバル展開を開始し、中国のエンタープライズ向けのコラボレーション及び生産性向上ツール市場の競争を国際市場にまで拡大させた。

重要視すべき理由:中国のテック大手は、昨年末から B2B サービスへの参入を進めており、従来事業以外での成長ポイントを模索している。新型コロナウイルスの流行は、この動きに拍車をかけており、ユーザ規模を飛躍的に拡大させている。

  • 市場調査会社 CCW Research(計世資訊)のデータによると、中国のビデオ会議ツール市場は2018年に前年比36.2%増の31億人民元(約471億円)に成長した。
  • 昨年9月には、人気ビデオ会議ツール「Zoom」が中国国内でブロックされるようになり、ローカルプレイヤーが成長する余地が生み出された。
  • グローバルに見れば、Tencent や Alibaba(阿里巴巴)は、マイクロソフトやグーグル、Zoomなどのテック大手らと市場シェアを競う必要がある。
「Voov」
Tencent(騰訊)

詳細情報:Voov は、Tencent Cloud(騰訊雲)が2019年12月に開始した「Tencent Meeting(騰訊会議)」のグローバル版だ。同社は TechNode(動点科技)へのメールで、クラウドベースの暗号化されたビデオ会議や会議中の即時メッセージングなどの機能を提供すると述べている。

  • Tencent は同サービスの「超スムーズな」HD ビデオ会議とその安定性について、「Tencent Cloudの最先端技術」を活用しているとアピールしている。
  • Voov の有料版では、最大300人までの参加者がダイヤルインして会議を行うことができるが、この機能はコロナウイルスが終息するまで無料で提供される。

Voov Meeting の有料機能を顧客に無料で提供することで、この時期に企業が運営コストを削減するための適切なソリューションを提供したいと考えています。(Tencent 国際ビジネスグループゼネラルマネージャー Norman Tam=譚楽文氏)

  • ユーザは、スマートフォンやパソコンにアプリをダウンロードすることなく、WeChat のミニプログラム(小程序)を使って Voov の会議に参加することができる。Tencent の広報担当者が TechNode に語ったところによると、ユーザは WeChat のアカウントを使って接続することも、電話番号だけで接続することも可能だという。
  • Voov は、美化や背景のぼかしなど、AI による画像変化機能を提供する。これにより、ユーザは「化粧をしないで仕事をしたり、散らかった家庭環境を晒したりするといった恥ずかしい状況を回避することができる」と広報担当者は述べた。

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背景:Alibaba の生産性向上ツール「Dingtalk(釘釘)」もビデオ会議機能を提供してはいるが、Voov のように WeChat との相互運用性は提供していない。

  • 現在 Zoomアプリはアメリカの Apple のアプリストアで1位を獲得している。Zoom の株価は、先月50%近く急騰した。マイクロソフトはコラボレーションツール「Microsoft Teams」でビデオ会議機能を提供しており、グーグルは「Google Hangouts」を開発している。
  • 中国国内の競合としては、Zoom の中国パートナーである Huawan Telecom(華万)や、深圳証取に上場している BizConf Telecom(会暢通訊)などのローカルプレーヤーがあげられる。
  • コロナウイルスの影響で教育がオンライン化する中、2月には、Alibaba の企業向けコラボレーションアプリ Dingtalk が、学生にオンライン学習を提供している。またAlibaba は同プロダクトを、第一線でウイルスと闘う医療スタッフにも提供しようとしている
  • Dingtalk は広く普及しているにも関わらず、3月上旬にアプリストアに1つ星のレビューが殺到し、ユーザから激しい批判を受けている。
  • 世界中の国々がコロナウイルス感染抑圧のための封鎖措置を発表しており、その結果、仕事環境はオンラインへと移行しつつある。世界で確認されたコロナウイルス感染症例数は約38万件で、そのうち約8万件が中国での感染である。

【via TechNode】 @technodechina

【原文】