3Dモデルテクスチャ作成をAIで驚異的に効率化したArtomatix、Unity傘下に

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Image Credit:Artomatix HP

ピックアップ:Unity Technologies Buys Artomatix

ニュースサマリ:3月10日、AIで3Dモデルのテクスチャ作成補助をする 「Artomatix」が、3D開発プラットフォームを運営する「Unity Technologies(以下、Unity)」に買収された。買収額は公開されていない。Artomatixは2014年にアイルランドで創業。写実的なコンテンツの作成をAIで補助するArtEngineを提供する。

Unityは、リアルタイムの3D開発のためのプラットフォームを提供し、初心者からグローバルブランドまでアクセス可能なツールを提供する。同社には、Google、Facebook、Oculus、Autodesk、Microsoftなどのパートナーと共に働く1,000人のチームが存在する。

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Image Credit:Artomatix HP

話題のポイント:今や3Dモデルはゲーム、自動車、インテリア、ファッションデザイン、製品デザインと生産に欠かせないものとなっています。その中でもテクスチャ作成は世界観を作り出し、没入させるのに重要な要素です。写実的になればなるほど少しのズレが違和感を生んでしまいます。

そして年々、PC側の処理性能が上がる中で表現の幅が広がり、要求レベルは上がっています。しかし、クリエーターのリソースには限界があるため高品質コンテンツを如何に効率よく作れるかという課題がありました。これがArtomatixがAIで解決する問題です。

課題をミクロに見ると、テクスチャの高品質化によってプロセスの複雑性が増しているというよりはチューニングが困難になっている状況です。人間が反復する煩雑な作業を自動化するのに最適であるAIとは相性が抜群であるということです。

Artomatixが効率化した時間は驚異的です。従来、一つのシーンのテクスチャアセットを準備するのに数時間や数日必要だったのが、ArtEngineを用いると数分で済むようになります。クリエーターにとってのインパクトの大きさが垣間見えます。

ArtEngineの最大の特徴は、スキャン/写真を物理ベースのレンダリングマテリアル(PBR)に変換するのが優れている点です。 

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Image Credit:Unity Youtubeチャンネル(ArtEngineを使用して作成された3Dモデル)

例えばシーンを写真のようにリアルにしたい場合、多くのアーティストがスキャン/写真測量3Dワークフローを使用します。しかしこれらのテクスチャを高品質に保ち、インテリジェンスに振る舞いながらシーンに直接適用できるのは同様ツールであるAdobeのSubstanceと比べても優位性があると言えます。

ただこれ、今すぐに使い始めたい方もいると思いますが、残念ながらすぐに使えるになるわけではありません。

これまで主に大手スタジオと大企業の顧客を対象とした製品であったため、ハイエンドのGPUハードウェア上で実行され、個別のライセンスではなくスタジオ製品として価格設定されていました。

ArtEngineはスタンドアロンツールでエンジンに依存しないとはいえ、Unityの一部としてArtEngineの主要な機能と利点をできるだけ多くのクリエイターに提供する方法をビジネスモデルと共に考案しなければならないため多少時間が必要となります。

一方、UnityとArtomatixの共通理念はコンテンツ作成を民主化することです。プロだけでなく初心者も多く利用するUnityにおいて、イメージしたものを作成できる体験を多くの人に届けられる形にしてくれるはずです。続報が楽しみで仕方ありません。

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