Alibaba(阿里巴巴)、中国でのビデオ会議ツール戦争に参戦

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Alibaba Cloud Conference(阿里雲会議)
Image credit: Alibaba(阿里巴巴)

新型コロナウイルスの流行により、ビデオ会議ツールの導入が加速していることから、Alibaba(阿里巴巴)がこの利益の上がりそうな市場の一角を狙って競争に加わるようだ。TechPlanet(Tech 星球)によると、Alibaba は「Alibaba Cloud Conference(阿里雲会議)」を立ち上げ、「Voov / Tencent Meeting(騰訊会議)」や「Zoom」との直接の競争に乗り出すという。

重要視すべき理由:Alibaba はすでに生産性向上アプリ「Dingtalk(釘釘)」内でビデオ会議機能を提供していたが、今回のステップにより、ビデオ会議製品のみの強みで純粋に競争できるようになる。

  • 2019年12月、Tencent(騰訊)は Tencent Meeting というビデオ会議ツールを発売したが、その直後に新型コロナウイルスの流行が発生し、先見の明があったことが証明された。2020年3月以降、Tencent Meeting は(Voov として)世界的に利用できるようになった
  • この Tencent の動きが起きたのは、2019年9月にZoomの国際版が一時的にブロックされ、中国で Zoom が拡大を妨げられた直後のことだ。
  • Tencent も Alibaba もさらなる成長の源泉として B2B サービスにすでに進出していたが、新型コロナウイルスの流行は、両社が新たな潜在顧客を獲得するための取り組みを急がせたかもしれない。

詳細情報:Alibaba Cloud(阿里雲)が管理する新しいビデオ会議製品には、Tencent Meeting や Zoom に見られる多くの機能が含まれている。Tencent Meeting のような簡単なサインアップではないが、高品質の音声と映像を保証する。

  • Alibaba Cloud Conference は、1080pの映像に対応しているほか、会議のモデレーションや画面共有などの標準機能も備えている。
  • Tencent Meeting と同様に、映りを気にするユーザのための「美化機能」も搭載している。
  • 1つの会議に最大500人まで参加可能。
  • Tencent Meeting では、ユーザは既存の WeChat(微信)アカウントで会議に参加できるが、Alibaba Cloud Conference のユーザはログインに電話番号が必要で、Alibaba アカウントや他のサードパーティのアカウントは使用できない。
  • Alibaba は、CDN とエッジコンピューティングノードのネットワークが優れた体験を保証すると述べている。
  • CDN 2,800ノードのうち、2,300ノードが中国にあることは注目に値する。

背景:市場の成長はさておき、スタンドアロンのビデオ会議ツール市場への参入は、Alibaba の Dingtalk に対するユーザの批判を受けてのことである。

  • Dingtalk のダウンロード数は新型コロナウイルスの流行により急増したが、いくつかの過剰な機能に憤ったユーザからの強い反発に直面している。
  • Dingtalk は今月初め、これらの機能を一部省いた国際版「Dingtalk Lite」として世界に公開され、同時に最大300人までのビデオ会議と、1,000人以上が参加できるライブ配信機能を提供している。

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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