AppleとGoogleは10日、COVID-19対策の一環としてスマートフォン向けトラッキングアプリに活用可能なBluetooth相互運用の仕組みをiOS・アンドロイド向けに共同開発すると、両社の共同声明にて発表した。
「まずは5月を目処に、公衆衛生当局のアプリを利用して、iOS・アンドロイド端末の相互運用を可能とするAPIを公開予定です。これは公式アプリとして扱われ、各ストアにてダウンロード可能となります」。
また、両社はBluetoothを活用した、ユーザーが自身の行動履歴を当局に対し共有可能とするプラットフォームの共同開発にも乗り出しているという。米国では、上院議員からユーザーの位置情報利用に対して両社に対し質問状が送られていた。
Bluetoothを介し移動履歴をデータ解析する手段は、世界各国で数多く検討されている。例えばSafe Pathsは既に、世界30カ国で話し合いを始めており、加えてWHOや米国保健福祉省ともCOVID-19対策を協議するなど追跡アプリの活用期待が集まっている。同社は先日、iOS・アンドロイド間における総合運用に成功したことを発表している。
Apple・Googleによって公開されたBluetoothと暗号技術に関する資料によれば、追跡にはBluetooth Low Energy(BLE)ならびに32バイトの暗号化されたトレーシングキーを使用することで、デバイス間のコンタクトにログを記録するとしている。
COVID-19対策を目的として提供されている既存アプリ「COVID Watch」は、アンドロイドでのバグやiOSにおいてバックグラウンドにて実行できないなど問題が生じ始めていた。これは、シンガポール政府当局が開発したTrace Togetherにも同様の問題が生じていることが明らかとなっている。
こうしたトレーシングの手段は、プライバシー擁護派も現段階において最もプライバシーに配慮した方法の一つだと評価されている。
ACLU(アメリカ自由人権協会)のJennifer Granick氏は、同モデルでの追跡アプリはユーザーへの信頼と自発的な使用に大きく依存するものの、一元化されるリポジトリを含むべきでないと述べている。
同氏は「確かに、今回発表された両社の取り組みはプライバシーを大きく配慮しているように思えますが、まだまだ改善の余地はあります。我々のプライバシーデータがきちんと、今回のパンデミック時や世界的危機以外で利用されないための警戒を怠ってはいけません」と述べている。
※本稿は提携するVentureBeatの記事の抄訳
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