3月の中国携帯電話販売業績は回復も、新型コロナ前の状況には戻らずと専門家

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北京にある Huawei(華為)のショップ
Image credit: TechNode/Coco Gao

13日に発表された公式データによると、中国の3月の携帯電話販売台数は前月比241%と急増したが、前年同月比では23%減少している。

重要視すべき理由:中国の携帯電話消費は、新型コロナウイルスの影響から回復し始めているが、その余波が重くのしかかり続けている。

  • 好転した理由の一つは、地元のスマートフォンメーカーが3月にラインナップを更新したことだ。これには、Huawei の旗艦モデルである「P40 Pro」と Xiaomi(小米)の格安モデル「Redmi Note 9 Pro(紅米 9 Pro)」などが含まれる。中国の工業和信息化部(MIIT、日本の経済産業省に相当)が発表したデータによると、スマートフォンメーカーは3月に34の新機種を発売しており、これは第1四半期に新発売された新機種の87.2%を占めている。

詳細情報:MIIT によると、中国の3月のスマートフォン販売台数は2,180台で、そのうち620万台が5G対応機種だった。

  • MIIT のデータと TechNode(動点科技)の計算によると、Apple の iPhoneは3月中の需要が急増し、販売台数が2月から406%増の約250万台に達した。
  • 同データによると、中国での携帯電話の総販売台数は、第1四半期に前年同期比で36.4%減の4,900万台まで下落した。

背景:毎月の販売台数は好転しているにもかかわらず、長期的には中国のスマートフォン市場を楽観視することはできない。市場調査会社 Strategy Analytics の最近のレポートによると、中国の消費者の37%が携帯電話の変更を先延ばしにしているという。

  • Strategy Analytics のスマートフォンリサーチ担当ディレクター Linda Sui 氏はレポートの中で次のように述べている。

2020年の第2四半期に入ると、サプライチェーンやエコシステム全体がスピードを取り戻すかもしれないが、大多数の消費者が以前の消費パターンや購入意向に戻る準備ができていないことは明らかだ。オペレータ、ベンダー、小売業者は、躊躇しているスマートフォン所有者に、新しいデバイスや新しい 5G サービスは、他の優先事項と比較して投資を行う価値があると説得するために、さらに努力しなければならないだろう。

  • Huawei(華為)はフードデリバリプラットフォーム「Meituan(美団)」と提携、同社のスマートフォンやタブレットを注文後、旗艦店から1時間以内に受けるれるようにすることで売上拡大を狙っている。

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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