中国版Slackの「DingTalk(釘釘)」、日本などアジア各国のアプリストアでグローバル版を公開

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「DingTalk(釘釘)」

中国のテック大手 Alibaba(阿里巴巴)は8日、人気の生産性向上アプリ「DingTalk(釘釘)」のグローバル版「DingTalk Lite」をアジアの主要市場の複数のアプリストアに展開した

重要視すべき理由:中国では新型コロナウイルス流行時に数百万人が自宅待機を余儀なくされたことから、このところ、業務コラボレーションツールにブームが起きている。エンタープライズ向け向けサービスへのシフトを進める中国のテック大手は、新型コロナウイルスが世界中に広がっているため、グローバル市場に照準を合わせようとしている。

  • 今回の DingTalk のグローバル版ローンチよりわずか2週間前、競合の Tencent(騰訊)はビデオ会議アプリ「Voov/Tencent Meeting(騰訊会議)」のグローバル版をローンチした。Bytedance(字節跳動)はまた、エンタープライズ向けメッセージングツール「Feishu(飛書)」のグローバル版「Lark」を運営している。
  • 報道によれば、Pinduoduo(拼多多)のような新興テック企業が、この分野で追いつきつつある。
  • DingTalk、WeChat Work(企業微信)、Feishu などの中国のビジネス生産性向上プラットフォームは、新型コロナウイルスの流行で何億人もがテレワークしたことでトラフィックの急増を記録した。
  • 新型コロナウイルスがもたらしたトラフィック上昇にもかかわらず、世界的競合の Zoom は中国で昨年9月に一時的にブロックされ、その後も勢いを取り戻すことができなかった。

コロナウイルスの発生により、リモートワークやオンライン教育の需要が高まる中、我々は最先端の技術を活用して、企業や学校が運営継続するのを可能な限り支援したいと考えている。(DingTalk CTO Hugo Zhu=朱鴻氏 の e メールから)

詳細情報:「DingTalk Lite」は、日本、マレーシア、シンガポール、香港、マカオのユーザ向けに開発された。インターフェイスは日本語、英語、中国語(繁体字)で利用できる。

  • DingTalk Liteには、メッセージング、ファイル共有、ビデオ会議などの必要な機能が搭載されている。
  • 特筆すべきことに、DingTalk Lite には、中国拠点のユーザが嫌うアドミン機能がほとんど無い。
  • DingTalk Lite は、同時に参加者300人以上のビデオ会議、視聴者1,000人以上へのライブ配信機能をサポートしている。
  • DingTalk Lite では、中国語、日本語、英語など、14の言語でメッセージ内容を AI 翻訳できる。
  • iOS、Android、Mac、Windows など複数のOSに対応している。
  • Zhu 氏は、さまざまなレベルのロックダウンや自粛を実施する都市が増えていることから、ビジネス向けのビデオ会議やオンライン授業のライブ配信は、アジアで最も強い需要があると付け加えた。

背景:DingTalk は、中国全土に企業ユーザが1,000万人以上、学生ユーザが1億2,000万人以上いる。

  • DingTalk は最近のユーザ増加にもかかわらず、ユーザ体験に議論の余地があるとして、ユーザ、なかでも学生からの反発に直面している。
  • DingTalk、WeChat Work、Lark など中国の生産性向上アプリは、新型コロナウイルス流行時に遠隔学習を促進することができるプラットフォームとしてユネスコから推奨されていた。

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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