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インドネシアでは3月2日に最初の新型コロナウイルス感染症例が2件報告されて以来、3月26日現在で症例数は約900人にまで増加した(編注:4月2日現在で1,677件)。インドネシアが直面している最大の障害の1つは、検査キットの供給が限られていることであり、ウイルスの蔓延を積極的に抑制することを難しくしている。

インドネシアのゲノム分野におけるディープテックスタートアップ Nusantics と、アーリーステージ VC の East Ventures は、この問題に対処しようとしている。East Ventures は Tech in Asia にも出資している。
Nusantics は、インドネシア技術評価応用庁(BPPT)傘下の新型コロナウイルス技術研究およびイノベーションタスクフォースのメンバーだ。声明によると、Nusantics は今後3週間以内に、新型コロナウイルスの感染を検出できる検査キットを開発する予定だ。
Nusantics が皮膚のマイクロバイオーム分析に使用する技術は、新型コロナウイルスを検出するために使用される技術に似ている。(Nusantics CEO の Sharlini Eriza Putri 氏)
Nusantics は、ウイルス、細菌、真菌、原生動物の遺伝物質であるマイクロバイオームのプロファイルを分析して、消費者のニーズを満たす。また、同社は最近、East Ventures からシード資金を調達した。
インドネシアに対する義務感と我々の適任な立場から、より多くの貢献をすることになった。(Putri 氏)
Nusantics は、検査キットのプロトタイプを100個生産し、その後10万個の検査キットの量産を継続するとしている。また、ウイルスゲノムのプロファイル作成のために、全ゲノムシーケンス解析も目指している。ウイルスが宿主と環境に順応すべく変異するため、これは必要不可欠となるステップだ。同社は検査キットを検証するためにそのデータを使用する。
Nusantics と BPPT を支援するため、East Ventures は「Indonesia Pasti Bisa(「インドネシアならきっとできる」の意)」という運動を立ち上げ、デジタルネットワークを動員し、検査キット製作のための募金キャンペーンを主導した。声明によると、East Ventures は100億ルピア(約6,450万円)の調達を目指している。集まった募金の90%は検査キットに使用され、残りは全ゲノム配列決定プロジェクトに割り当てられる。
East Ventures は、同社のポートフォリオであるフィンテックスタートアップ KoinWorks と、メディア企業 IDN Media を、それぞれ説明責任と透明性確保のパートナーとして活用している。East Ventures 共同創業者兼マネージングパートナーの Wilson Cuaca 氏によると、KoinWorks はコンプライアンスと支払管理の専門知識を提供し、IDN Media はアウトリーチとストーリーテリングのスキルを提供する予定だ。
市民は、このウェブサイトを通じて資金、設備、スキルを寄付することにより、イニシアティブに参加することができる。
【via Tech in Asia】 @techinasia
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