広がりつつある「ココロとカラダ」の危機、私たちはどう備えるべきか

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ニュースサマリ:新型コロナウィルスに端を発した急激な環境の変化で、心と体のバランスを崩すケースが増えてきた。

オンラインカウンセリングを手掛ける「cotree(コトリー)」によれば、3月頃から相談件数が増加し、前月比で3割ほどの相談増となっているそうだ。これを受けて同社は、4月16日からメンタルヘルスに課題を抱える個人や企業を対象とした無償提供プログラムの開始を伝えている。

このプログラムにはBASEやSHIFTなどの賛同企業が、自社の社員やユーザーなどを対象に無償でカウンセリングが受けられるクーポンを発行する。個人としてCAMPFIREの家入一真氏やキッズラインの経沢香保子さんらも支援を表明し、最大1万人までのカウンセリングの無償提供を約束している。

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cotreeのメンタルサポートプログラムの仕組み

また、コーチングサービス「mento」を提供するウゴク社では、医療従事者やその関係者を対象にした無償プログラムを今月10日に開始した。同社代表取締役の木村憲仁氏によれば、数十名ほどの医師や看護師の依頼があり、今週末から順次コーチングを開始するという。

話題のポイント:7日に発令された非常事態宣言から約1週間、それ以前から外出自粛に協力し、例えばリモートワークなどに移行した方であれば数週間が経過した頃だと思います。慣れない環境に加えて先行きが見えない不安から、次に心配されるのがココロとカラダの問題です。

<参考記事>

ウゴクの木村さんのお話では、医療従事者のみなさんが抱える直接的な新型コロナに関する不安やストレスの相談に加え、企業についてはこの有事における組織の不安を相談するケースもあるというお話でした。リモートで働くことを余儀なくされた結果、見えなかった不和が顕在化したということですね。加えてつながりのある保健師さんのお話として、家庭内不和が浮き彫りとなってDVや虐待に繋がるケースが増加していることも教えてくれました。

一方でココロのケアというのは非常に難しいです。私も一人の事業者としてこの状況を考えると、不安がないと言えば嘘になります。相談するにしてもどこに話せばよいかわからないし、また、こういったプライベートな話題を見ず知らずの人に共有する不安もあります。

その点で今回の2社の無償化の取り組みはひとつのきっかけになると思います。特にcotreeが実施する、企業や個人と連携した方法はアイデアです。私のような不安を持っていても、間に企業や代表、もしくは知っている個人が「無償クーポン」という形で介在することで、第三者に相談するハードルは随分と下がります。

また、cotreeで代表を務める、櫻本真理さんも指摘されていましたが、親しい人にプライベートを相談することよりも、第三者だから思い切った話ができるメリットもあります。特に今回のような状況では、親しい人であってもその人がダメージを受けている場合もありますから、専業の受け入れ機関がある方が全体として安全です。

カラダの問題も

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NAKEDではBASEにてパーソナルトレーニングの販売をしている

ココロの不安と併せて気になるのがカラダの問題です。一部で「コロナ太り」というワードも囁かれてますが、ストレス発散という点ではこの2つはセットと考えるべきでしょう。一方、ジム通いや通勤は感染拡大防止の観点からしばらくは難しくなります。

都内でパーソナルトレーニングを手掛ける「NAKD」では、こういった問題を解決するため、自宅などでもできるオンライントレーニングの販売を開始しています。必要な器具は自宅に送付し、事前に決めた日時でトレーナーとZoomなどのオンラインをつないでトレーニングを提供する、という方法です。同社では、今後、トレーニング用のアプリ公開も予定しており、パーソナルトレーナーが指導する栄養管理やトレーニングメニューの情報を確認しながら自主トレができるようになるそうです。

本来はパーソナルジムを受けた方が、自分で24H系のジムに行ったときにパーソナルで学んだことの復習をして、よりパーソナルトレーニングの効率アップに繋げることが目的でした。今回のコロナを受けて自宅でもトレーニングができるように両軸で進めていきます(同社代表取締役の大久保光佑さん)。

現在、フリーランスのトレーナーの方々が売上を大きく落としているので、新たな収入源になるような道筋も考えているとのことでした。

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RepFitが提供するZoomトレーニング

では、こういう状況下で私たちはどのような健康管理を心がけるべきでしょうか。同じくパーソナルトレーニングを福利厚生として企業向けに提供する、RepFit代表取締役の土屋卓也さんによると、次のようなポイントがあるそうです。

現在コロナの影響により、下記の3つが人に与えるストレスが高いと考えています。

  • 今までに経験した事の無い事態
  • デスクやチェア等、作業環境が整っていない中での在宅ワーク
  • 外出自粛要請による運動機会の半強制的な減少

普段と違うリズムかつ家に閉じている生活をするために、自律神経の乱れに繋がりやすく、働く事を想定としていないテーブルなどで長時間の作業をすると、姿勢もどんどん悪化していく恐れがあります。

現状への対応策として、5分など短い時間でもいいので毎日必ず一日のどこかでストレッチをして、少しでもいいので自ら運動機会を家の中に作ることが今、できる健康管理として重要なポイントだと考えています(土屋さん)。

ココロとカラダに時間を

今回、メンタルヘルスの取り組みで個人としても賛同し、cotreeを通じて最大1000名分のカウンセリング(300万円相当)を個人として提供したのが家入一真さんです。本誌でも度々、起業家に向けたメッセージを取り上げています。

<参考記事>

今回、CAMPFIREとしてもメンタルの問題に取り組んでいる彼に、コメントをもらったのでこの記事の最後に掲載しておきたいと思います。資金繰りなどで頭がいっぱいになる時期だからこそ、自分のココロとカラダにぜひ時間を取っていただきたいと思います。

起業家のメンタルヘルスについて、この数年課題意識を持って声を上げてきましたが、コロナにより繋がりが分断され、不安な中でこれからの生き方や働き方を自らの意思で決め、選び取っていかねばならない「誰もが起業家たりうる時代」に、改めてオンラインカウンセリングが必要であると、強く感じます。長期化も予想されるこの状況の中で、一人でも多くの方の心に向き合おうとするこの取り組みに、心から賛同します。

僕からは、コロナによる不安の中で子育てをされている方々に向けて、最大500名分のカウンセリングを無償で提供します。慣れないリモートワークの中で、学校も休止になり親子共々ストレスのたまりがちな環境の中、誰かに話を聞いてもらえるだけでも救われることはあるのではないでしょうか。

また、CAMPFIREではコロナによりダメージを受けているアーティストやイベント事業者、飲食店や宿泊施設、ライブハウスやクラブなどにクラウドファンディング を通じたサポートプログラムを提供していますが、このサポートを受けられる方々に向けて、同じく最大500名のカウンセリングを提供します。不安な中で資金繰りも考えなければならない皆さんの心もケアしていけたらと思います。

世界中で誰しもが困難を強いられている時代の中で、僕たちスタートアップやプラットフォームが今、何をすべきなのか。改めて問われていると、強く感じます。この課題に向き合おうとするcotreeをはじめとして全てのスタートアップに、心から感謝と、賛辞と、応援を。共に生き抜いていきましょう(家入一真さん)。