イグニション・ポイント、ロボティクス事業に参入——医療機関向け負担軽減支援ロボットを展開

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アメリカの病院に導入された薬運搬ロボット「Pyxis Helpmate」
CC BY 3.0: Jeremy Kemp via Wikimedia

イグニション・ポイントは27日、新たにロボティクス事業に参入すると発表した。第一弾として、深圳を拠点とする AI ヒューマノイドロボティックユニコーン UBTECH(優必選)と代理店契約を締結し、同社のサービスロボット「Cruzr(克魯澤)」を用いて医療機関向けの検温や受付支援ロボットを開発。麻生総合病院、川崎市立川崎病院などを皮切りに複数の総合病院で PoC を開始する。

イグニション・ポイントでは医療機関に続き、小売店舗、金融機関、ホテル、交通インフラ、学校、福祉施設等、エッセンシャルワーカーが働く事業者を中心に、人の業務軽減を担えるサービスロボットの引き合いがあると説明。今後3年間で国内1,500台の Cruzr 販売を見込む。同社では UBTECH に限らず世界のサービスロボットメーカーと提携し、日本だけでなく ASEAN 全域でのサービスロボットのローカライズや分野別のアプリケーション開発などを行い、オリジナルのサービスを提供するとしている。

イグニション・ポイントはデロイトトーマツコンサルティング出身の青柳和洋氏(CEO)らにより2014年に設立。クリエイティブスタジオの POINT EDGE(今月、投資用不動産の販売・賃貸管理のシノケングループが買収)、スマートホームセキュリティの Secual、オンライン英会話学習サービス「LEARNie(ラーニー)」、ペット流通の健全化とライフサイクル事業を行う専門会社 Pontely(ポンテリー)、フードトラックによるオンデマンド飲食サービス「DANX(ダンクス)」などを展開。青柳氏個人では昨年、BlueGoats Capital を設立している

最近では昨年10月、ASEAN でのコンサルティング事業展開のため、ベトナムに現地法人を設立しハノイとホーチミンシティに拠点を開設した。また同年11月には、ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)業務の提供に特化して、沖縄・名護にイグニション・ポイント オペレーションズを設立した。

UBTECH は、Cruzr の他にも二足歩行ロボット「Alpha」、STEM ロボット「Jimu」、スター・ウォーズの「Stormtrooper」などの開発で知られる。Cruzr はサービスロボットとして、タイのモバイル小売業者 Jaymart などにも導入されている。2018年には、AI 企業による単一ラウンド調達額で最高額となる8.2億米ドルを調達した

以下は CES 2020 でデモ中の Cruzr。

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