外出自粛の今こそ空きスペースの活用を、ポップアップストアだからできること

SHARE:
unnamed.jpg
4月6日から2日間実施したポップアップストア(東急プラザ渋谷にて販売)

本稿はスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事です

現在の新型コロナウイルス感染症の影響により、衛生日用品のニーズが拡大しつつも、店頭に十分な数が陳列されていないなど流通の滞留が一部発生しています。さらに、政府の自粛要請の影響を受け、一部地域では食品等で余剰在庫が発生しています。

一般的に、メーカーや販売代理店が製造・販売する製品は、流通を経て店舗の棚に陳列されます。そのため、直接消費者に届ける手法を持っていないことが多く、今回のように小売店が閉鎖に追い込まれると行き場をなくす事業者も出てきます。ECでの販売もその一つの解決方法ですが、全ての製品がECで販売できるわけではありません。日本におけるEC化率はまだ6%と、ECですべての人に必要なものを届けることはできません。

私たちはポップアップストア(※)のマーケットプレイス「SHOPCOUNTER」等を通じて、数多くのポップアップストアの企画・運営を支援してきた経験から、このような事業者の方々に対して課題解決の取り組みを開始することとしました。

ポップアップストアを出店可能な場所

実際に商業施設のスペースを借りて出店する場合、どのような段取りになるかポイントをお伝えします。東京都の3月10日の発表を受けて、今回の取り組みで取り扱いができるのは「生活必需品」のみです。また、利用可能な場所は次の通りです。

  • <施設の種類>生活必需物資販売施設
  • <内訳>卸売市場、食料品売場、百貨店・ホームセンター・スーパーマーケット等に おける生活必需物資売場、コンビニエンスストア等

なお、平時と異なり、商業施設側にも今回の事態を鑑みてスペースの利用料金などについては大幅に譲歩をいただいています。

ポップアップストア出店時の方法

実際に出店する際、大まかに(1)企画立案(2)スペースとの折衝・契約(3)人員手配・設営、といった段取りが必要になります。ここからは4月6日から2日間、東急プラザ渋谷にて実際にポップアップストアを出店した方の実例を元に、方法と課題箇所を紐解いてみたいと思います。

1:企画立案
混乱時だからこそ、しっかりと販売ができるように落ち着いて企画準備はしましょう。特にポップアップストアは開催回数や運営の経験によって、成果が改善される傾向がある販売方法です。考えるポイントとしては商品企画に価格設定、店頭でのレイアウト方法やポップ等のクリエイティブなどがあります。

2:スペースとの折衝・契約
おそらく多くの方にとってハードルとなるのが商業施設側との折衝です。交渉内容は出店場所や賃料などの経済条件、契約書のやり取りが発生します。繋がりのある施設側が閉鎖になった場合、新たなスペースを探す必要があります。

3:人員手配・設営
ポップアップストアはイベント的な出店方法ですので、搬入と搬出という作業が発生します。商業施設側はあくまでスペースを貸し出すだけですので、ほとんどの場合、什器類(机やポスター用のイーゼルなど)は自身で用意が必要になります。またキャッシュドロワーなどレジ周り備品の手配では、最近のキャッシュレスに対応するための通信環境など、従来とは異なる用意が必要なケースも出てきています。人員については交代含めた余裕ある体制も重要です。

このほかにも各商品に合わせた多くの工数が発生しますが、初めて出店する場合、これらを見積もりきれないことがあります。実際に出店した経験がある方に聞くのが一番なのですが、身近にいない場合、私たちの経験も共有させていただいてます。

ということでポップアップストアを実際に出店する際のノウハウについて解説させていただきました。

実際に4月6日から8日まで期間限定(緊急事態宣言のため4月8日は閉店)で実施したポップアップストア(冒頭写真)では、私たちとして出店場所や条件の交渉、利用可能な什器の準備、人員などをサポートさせていただきました。また、出店先の東急不動産様にもご協力いただき、固定費を発生させず、全て歩合制での出店となっています。

このような状況だからこそ、柔軟な販路を探している企業と密に連携することで、ポップアップストアを通じて何らかの支援が可能だと考えています。今後も、社会情勢に配慮しつつ、カウンターワークスでは新型コロナウイルス感染症で不足している衛生日用品始めとし、休業やイベントのキャンセル等で廃棄せざるを得ない商品を扱っているメーカー食品など、流通の滞留を解決していくポップアップストアを複数展開していく予定です。

本稿は、ポップアップストアのマーケットプレイス「SHOPCOUNTER」や商業施設・店舗の運営改善をサポートするデータプラットフォーム「adpt OS」などを提供する、株式会社COUNTERWORKS代表取締役CEO、三瓶 直樹氏によるもの。消費者に物を届けたいメーカーや販売代理店、スペースや軒先を提供したい商業施設・お店は、こちらからコンタクトされたい

※ポップアップストア:路面空き店舗や商業施設、公共交通機関などの空きスペースや店頭の一部を使って、期間限定で開かれる出店形態です

BRIDGE Members

BRIDGEでは会員制度の「Members」を運営しています。登録いただくと会員限定の記事が毎月3本まで読めるほか、Discordの招待リンクをお送りしています。登録は無料で、有料会員の方は会員限定記事が全て読めるようになります(初回登録時1週間無料)。
  • 会員限定記事・毎月3本
  • コミュニティDiscord招待
無料メンバー登録