銀行残高の取得も可能にーーフィンテックアプリに進化する「Excel」

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Image Credit : Plaid Blog

ピックアップWith Plaid partnership, Microsoft Excel is now a fintech app

ニュースサマリー:VISA傘下の銀行APIスタートアップ「Plaid」との提携により、マイクロソフトの表計算ソフト「Excel」はユーザーの銀行残高や取引履歴を取得することが可能となった。これにより「Money in Excel」と呼ばれる資産マネジメント機能がExcelに搭載される。

同ツールを用いることで、ユーザーは様々なテンプレートやチャート、グラフなどの資産マネジメント機能を利用することができる。例えば、Monthly Snapshotと呼ばれるツールでは、取引履歴を基にパーソナライズされたグラフやチャートを閲覧し、ユーザーは月ごとの支出動向を分かり易く把握することができる。

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Image Credit : Plaid Blog

同アップデートは、Microsoft EditorやOutlookなどを含むパッケージ「Microsoft 365」自体の大型アップデートの一貫として実施される。Money in Excelはサブスクリプションモデルを採用する予定で、数カ月以内に米国内で提供開始されるという。

話題のポイント:Plaidは現在、米国やカナダ、欧州地域でサービスを展開しており、既に11万以上の金融機関やスタートアップに対し、APIによるデータ接続機能を提供しています。今年1月にはVISAによって買収されたニュースが大きな話題を呼びました。

<参考記事>

近頃、エンタープライズ向けに銀行機能インフラを肩代わりする「Banking as a Service(以下BaaS)」の台頭により、益々多くの非金融スタートアップが金融機能の統合を始めています。例えばAppleやUberなどの企業もBaaSを活用し、新たに銀行領域へと参入しています。

<参考記事>

PlaidはそのBaaS企業の代表格として知られていました。同社の著名な顧客企業としては、決済・送金分野では「Venmo」や「Square」、投資分野では「Robinhood」や「Coinbase」などがあげられます。

現在同社は、Fortune100に選出されている企業のうち25%以上の企業らと、フィンテック・イニシアティブを立ち上げようと協議を進めているといいます。その構想を推進していくにあたり、今回のMicrosoftとの提携は非常に力強い一歩になるのではないでしょうか。

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