
※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから
大豆由来の植物肉原料「ミラクルチップ」を開発・製造する DAIZ(旧社名:大豆エナジー)は18日、シリーズ A ラウンドで6.5億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、官民ファンドの A-FIVE(農林漁業成長産業羽化支援機構)、三菱 UFJ キャピタル、岡三キャピタルパートナーズ、ニチレイフーズ、大企業各社が出資するベビーリーフメーカーの果実堂(果実堂は DAIZ の関連会社)。
DAIZ のこれまでの資金調達詳細は不明だが、2018年9月に西日本シティ銀行とQB キャピタルの運営する QB 第1号ファンドから1億円、2018年12月に鹿児島銀行から1億円、今年2月にニチレイフーズとの資本業務提携で5,000万円を調達している。今ラウンドの調達を受けて、創業以来の累積調達額は12億円に達した。同社では今回調達した資金を、植物肉を本物の肉の味に近づけるための R&D(AIプロファイリング技術)、植物肉原料(ミラクルチップ)3,000トン/年の生産能力拡大に用いる。

Image credit: Daiz
DAIZ は、大豆の代謝に注目した独自の栽培法である特許技術「落合式ハイプレッシャー法」で大豆を発芽。発芽中に、酸素、二酸化炭素、温度、水分などの生育条件にプレッシャーを与えることで酵素が活性化し遊離アミノ酸量が増加、大豆の旨味を引き出す。独自の膨化成形技術により、他の原料や添加物を何も足さずに、肉の様な食感を再現する。
この分野の動きを見てみると、Impossible Foods は最近、5億米ドルを調達、アメリカのスーパー大手 Kroger Co の1,700店舗での植物肉販売を開始した。オーストラリアの Fry Family Food Co. と ドイツの LikeMeat という2つの代替肉スタートアップを買収したカナダの Livekindly(旧 FoodsUnited)は3月、植物由来鶏肉開発のため2億米ドルを調達した。4月には、シンガポールの人工肉スタートアップ Growthwell が800万米ドルを調達。また、Beyond Meatは、中国国内のスターバックス3,300店舗超で人工肉を使ったフードを販売開始した。
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