産学連携事業のepiST、修士・博士・ポスドク向けキャリア支援サービス「博士のキャリア」をローンチ——専門領域を生かした就職を後押し

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「博士のキャリア」

産学連携やオープンイノベーション事業を展開する epiST は19日、修士・博士・ポスドクのキャリア支援に特化したマッチングプラットフォーム「博士(はくし)のキャリア」をローンチした。大学院での研究経験を有する高度な専門知識を身につけた修士・博士・ポスドク人材と、彼らをサイエンティストとして採用したい企業とをマッチングする。

学部学生の就職には従来からある就職イベントを通じた一括採用や、理系学生向けには「LabBase(ラボベース)」のようなスタートアップによる新サービスも提供されているが、修士・博士・ポスドクが就職先を見つける方法は依然として限られている。大きくは、OB がリクルーターとなっているケース、研究室の教授が推薦状を書いてくれるケース、地元の機械・化学メーカーが大学で説明会を開くケース、などだ。

epiST を2019年に創業した上村崇氏(現在、代表取締役)は、以前、データ分析事業の ALBERT(アルベルト)を創業し、その後、東証マザーズに上場させた人物。ALBERT 時代には、全国の大学を訪問してデータサイエンティストとなる人材を採用していたが、優秀な人材に十分な就職の選択肢が提供されていないことに課題を感じ、彼らのキャリア支援を考えていたという。

昨年の epiST 設立以降、人材マッチングイベントの開催などと並行して、各大学の教授らと意見を交換しながら「博士のキャリア」開発に着手。晴れて今日、本サービスのローンチを迎えた。このサイトでは、修士・博士・ポスドク人材から企業へのアプローチはもちろん、企業側から人材へのスカウトも可能。epiST のコンサルタントからは、レコメンデーションやサジェスチョンも得られる。また、ロールモデルのインタビュー記事を読めば、応募者は将来のキャリアへの展望を膨らませることもできるだろう。

その人が持っているスキルに応じて、ジョブ採用されるような仕組み作りが必要だった。履歴書だけでなく研究概要や研究実績を登録してもらうことで、企業はそれを加味して人材にアプローチできる。修士・博士・ポスドク人材には、得た専門知識を最大限に生かせる就職を支援したい。(上村氏)

epiST の企業向けサイエンティスト採用支援で、「博士のキャリア」はその一翼を担う。
Image credit: epiST

本日時点で、「博士のキャリア」には、知能情報システム、セガ、セプテーニ、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム、シンプレクスの求人が掲載されている。「博士のキャリア」は、修士・博士・ポスドク人材の就職支援を行うが、専門分野にフォーカスした人材紹介であるため、事業モデルは一般的な新卒就職支援よりも転職支援サービスに近い。広告料金で言うなら、インプレッション型ではなく成功報酬型に近い料金体系のイメージだ。高度人材は欲しいが予算が必ずしも潤沢ではないスタートアップにも使いやすいかもしれない。

4年前のデータで、日本の大学院在籍者は約25万人。epiST では、これまでにトップ大学の理系研究室などを通じて築いたネットワークを活用し、向こう1年間で、日本の大学院生50人に1人に相当する5,000人のユーザ登録を目指す。上村氏によれば、「数をたくさん増やすと言うよりは、考えに共感してもらえるところに参加してもらえるようにしたい」とのこと。大学院在籍者に多い、海外からの留学者などもユーザ対象とする。

ロールモデルのインタビューを紹介する「博士のキャリア stories」
Image credit: epiST

epiST は昨年、epiST Ventures という投資子会社を設立。秘匿計算技術によるデータセキュリティソリューションを開発する名古屋大学発スタートアップ Acompany に出資している。シンプレクスと金融 AI ソリューションカンパニー Deep Percept を設立するなど活動の幅は広い。

日本をもう一度、技術立国と言える国にしたい。大学発ベンチャーに出資できるファンドを作ったのも、アカデミアの力を社会実装できるようにしたいと考えたから。(上村氏)

本日サービスインを迎えた「博士のキャリア」もまた、そうした社会実装の実現を加速する原動力の一つとなることを期待したい。

この分野では、学生就職支援サービスのアカリクが2018年から、修士・博士・ポスドク人材向けに「アカリク就職エージェント」を展開している。

<参考文献>

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