Facebook、あの「GIPHY」を買収、インスタに統合へ

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ピックアップ:Facebook Welcomes GIPHY as Part of Instagram Team

ニュースサマリー:Facebookは15日、GIFプラットフォームの「GIPHY」を買収したと発表した。買収額は4億ドルにのぼるとされ、サービスはInstagramに統合されるとしている。

買収以前からFacebookではGIPHY APIを利用してFacebook本体やMessenger、Instagramで同サービスを提供してきた。同社リリースによれば、GIPHYの全体トラフィックの内50%はFacebookを流入源としており、またその半分はInstagramからだったとする。

話題のポイント:Facebookのリリースを読み解くと、InstagramとGIPHYをうまく統合させ「視覚的コミュニケーション」の加速を狙っていることが分かります。これをさらに進めると、テキスト以外のユーザーエンゲージメントを増やし、新たな「データ」タッチポイントを生み出すといった意味合いが込められていると考えられます。

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GIPHYによれば、同サービスはデイリーで100億回以上の配信と7億人以上へのユーザーリーチを達成しているそうです。StatistaによればFacebook自体(FB, Instagram, Messenger, WhatsA, WhatsApp )はすでに2020年Q1にてデイリーアクティブユーザー23億6000万人を獲得しているとしています。

つまり単純計算でFacebookグループサービス全体14.8%となる3.5億人が、日ごろからGIPHYを利用しているということになります。FBがGIPHYを自社傘下に置き取れるデータは取ってしまおうと思うのは納得です。

「視覚的コミュニケーション」の文脈でいえば、FBはいくつかの国で先行して開始してたFB内内におけるアバター機能をつい先日アメリカに向け公開しました。また、ビデオ通話ツールとしてMessenger Roomsを新たに公開するなど、FBを通したリアルな視覚的コミュニケーションと、アバターを通した非リアルな視覚的コミュニケーションのどちらも活性化させようとしています。

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Fidji Simo

では、GIPHYはこれからどのように視覚的コミュニケーション活性化に貢献していくのでしょうか?WIREDの記事によると、GIPHYの買収によりFacebookが掲げる全てのプラットフォームにて、オンデマンドなトレンドに沿ったGIFを提供できるようになるそうです。

例えば今までは、カレンダーに記載のあるような祝日になれば「Happy Cinco de Mayo!」や「Merry Christmas!」に関係するGIFがトップページに表示されていました。しかし、GIPHYを自社傘下に取り込むことでオリジナリティー性かつトレンドに沿ったGIFを提供することが可能となります。

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コミュニケーションのレスポンスとしてGIFアニは気軽に使える

近年特にアメリカでは、「そこまで親しくないけどもしかしたら今後関わるかもしれない関係」、例えば大学のクラスで同じプロジェクトを1週間共にする相手との連絡先交換にInstagramを利用する機会が増えてきています。

もちろん電話番号という方法もありますが、パブリックに公開されているプロフィール、スペリングの正しい名前が無条件である確率が高い、という面や単純にフォロワーが増えるといった面で若い世代を中心にインスタが選ばれていると感じます。

こうした世の中のトレンドを作り出す世代が集まるプラットフォームだからこそ、GIFをオンデマンドに対応させる必要性が高いと言えるのかもしれませんね。

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