数千人から選抜「45名のクリプト起業家」が学んでいるもの

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Credit: a16z 

ピックアップ:The Crypto Price-Innovation Cycle

ニュースサマリー:Andreessen Horowitz(a16z)は同社が運営するクリプトスタートアップ向けブートキャンプ「a16z Crypto Startup School」の一部コースをテーマごとに公開している。同社によれば、数千の応募者の内参加資格を得たのは45名だったという。2月終わりから約2カ月にわたり開催されたスクールは、COVID-19によりオフライン・オンラインのハイブリッド型で実施された。

話題のポイント:先月末にa16zはブロックチェーン事業特化型クリプトファンドの第二号「Crypto Fund 2」を5億1500万ドル規模で設立し、COVID-19による世界経済混沌の中「ブロックチェーン」にベットする姿勢を示していました。彼らの中長期的なブロックチェーン視野理解についてはMarc Andreessen氏執筆の「Why Bitcoin Matters」や、Chris Dixon氏の「Why I’m interested in Bitcoin」をお勧めします。

今回取り上げるのはa16zが取り組むクリプトスタートアップ向けのブートキャンプ「a16z Crypto Startup School」です。数千の応募があり、最終的には45名にまで選抜されていった過酷さを誇るキャンプですが、14のセッションが今後パブリック公開される予定となっています。

今回公開された最初のセッションはCrypto Fundを率いるChris Dixon氏による、クリプトにおける価格とイノベーションサイクルの関係性を説明したものです。タイトルは「Crypto Networks and Why They Matter」とされ、なぜ価格とブロックチェーンエコシステムの間に強い繋がりあるのかを紐解きながら進んでいきます。

プレゼンテーション冒頭で、Chris氏がブロックチェーン起業家に「いつブロックチェーンに関わり始めたか?」と聞くとおおよそ答えは2011・2013・2017年のいずれかだったと話をしています。これは、ちょうど暗号通貨の価格が大幅に上昇・下落したタイミングと重なっていることを示しており、今はどうであれ「価格」への興味がブロックチェーンへの入り口だった起業家は多いとの仮説を立てています。

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この点について、ブロックチェーンはスタートアップの中でも特別な存在であることを強調します。つまり、他のスタートアップは会社を立ち上げ資金調達をし、バリュエーションと共に上場へ向かうルートを取るため正確な企業価値には時間的「ラグ(Chris氏は「lagging indicator」と表現)」が生まれるはずです。

しかし、ブロックチェーンスタートアップでは、価格が初手にありそれを起因としてフィードバックが生じ変化を遂げていくフローを取ります。これを同氏は「Price-interest-activity feedback loop」と呼びブロックチェーンのイノベーションサイクルであると定義しています。

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「価格⇆興味⇆アイデア⇆スタートアップ誕生⇆(価格)」が相関関係にあることは下図のCAGR(年平均成長率)も証明しています。ブロックチェーンの「ループ」は価格の高低も新規参入の重要な要素となるため、長期的視点が求められることの裏付けでもありますね。

ブロックチェーンのそうしたループサイクルは上述通り新規参入が多かった2011・2013・2017年がそれぞれのターニングポイントとなっていました。また、2020年はa16zが2号ファンドを1号ファンドの約1.5倍規模でベットしてきたことからもわかる様に、今後数年のうちに新たなサイクルへ突入(≒価格に誘い込まれ新規参入するスタートアップが増える時期)する契機とみているのは明らかです。

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つまり今はまさに、2017年から続けてきたループの成果をフィードバックしている時期だといえます。実際にその”フィードバック”によって、例えばWeb3.0的概念やDeFi(分散型金融)が生まれていることは紛れもない事実です。

CAGRのような話をすると、価格(一般的なスタートアップではバリュエーションや市場価値)がブロックチェーンでも注目されているように感じてしまうかもしれません。しかしChris氏も述べているように「価格ではなく”interest and activity”」であり、この「フィードバックループ」を繰り返しながら成長していることが理解できると思います。