「空きガレージ」を自宅に変えて収益化、United Dwellingのビジネスモデルに追い風は吹くか

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United Dwelling

ピックアップ:United Dwelling Raises $10M Series B To Turn Garages Into Affordable Housing

ニュースサマリー:リアルテックの「United Dwelling」は19日、シリーズBにて1000万ドルの資金調達を実施したと発表した。Alpha Edisonがこのラウンドをリードし、Lightspeed Venture Partnersも参加している。

同社は利用していない自宅ガレージにミニマルな住居(スタジオ)を作り出す事業を展開。広さは平均して369sqft程度(34m²)が想定されているという。同社は新築となる物件を所有者に代わって管理し、賃貸収入の一部を得る仕組みを取る。

また、オーナーは同社に対し最大で8万8000ドル程度(物件条件によって異なる)を支払うことで所有権の買戻しができる。

話題のポイント:空いている土地を「家」に変えお金を生み出すサイクルを作り出すことを目指すのが「United Dwelling」です。

日本には昔から大きな一軒家の隣には、簡易的な家となる「離れ」という存在がありました。United Dwellingが考えるのはまさに「ガレージの小型住居化」で、いわばアメリカ版「離れ」です。特にプライベート性を保った空間という意味では、Work From Homeの機運が高まる今だからこそ需要の増加が見込まれるテーマです。

まずはLA郊外を中心に事業展開を進め、今年中に150件、来年には1500件を目標に建設を計画しているそうです。こうした「空きガレージ」を自宅に変えるモデルは以前紹介したYC卒業生の「Rent the Backyard」が限りなく近いと言えるでしょう。

Rent the Backyardのモデルでは、基本的に民泊としての利用が想定されていましたが、United Dwellingでは賃貸型での貸し出しが前提となっています。同社によれば、賃料は近隣のワンベッドルームより20%ほど安い価格設定を目指すといい、1300ドルから2500ドルの範囲となることが見込まれています。

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米国において、賃料の高騰は大きな問題になっており、例えばGoogleやMicrosoftなども積極的に住宅整備のためのファンドを設立するなど対応策を講じています。

これまで住宅問題には、IT産業の発展による賃金格差が根本的な問題にあるとされてきました。まさに経済学者であるトマピケティ著「21世紀の資本論」の代表例を具現化した格差が生じており、時間がたつごとに拡大しつつあったのです。

こうした根本的な問題がCOVID-19によりさらに悪化しつつあります。National Multifamily Housing Councilによると、米国における家賃支払い率は3月5日時点で82%を維持していたものの、レイオフが続いた4月同日になると69%にまで落ち込んでいるというデータを明らかにしています。

こういった状況を考えると、United Dwellingが主張している、そこに利用していない土地があるのだから「Affordable Housing」に変えてコストを抑え、有効活用しようという考え方には追い風が吹きそうです。