VISAがブロックチェーンをベースとした“デジタル通貨”の特許を取得、その背景にあるものは

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Image Credit : VISA

ピックアップVisa Patent Filing Would Allow Central Banks to Mint Digital Fiat Currencies Using Blockchain

ニュースサマリー:5月14日、国際決済ブランド「VISA」がブロックチェーン技術を土台としたデジタルな法定通貨システムに関する特許を取得したと発表している。

特許の概要からは、中央主体によって発行・管理されるシステムを想定している点や、ブロックチェーン技術をベースとしているといった情報が確認できる。なお、具体的な技術スタックに関していえば、同システムはブロックチェーンにEthereum(イーサリアム)を想定し設計されているようだ。

また、VISAがブロックチェーン技術の導入に取り組む事例は今回が初めてではなく、2016年段階に同技術を活用した国際間B2B決済ソリューションを発表している。

話題のポイント:さて、特許の内容から推察すると、VISAが設計しているのは中国のデジタル人民元のような、中央銀行デジタル通貨(CBDC:Central Bank Digital Currency)だと考えることができます。

特許文概要では、”Central Entity Computer(中央エンティティ・コンピュータ)”という言葉が複数回用いられています。この主体がデジタル通貨を発行し取引を記録する役割を持つと書かれていることから、同システムは管理主体として中央銀行を想定し設計されている可能性が高いでしょう。

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Image Credit : Pixabay

なぜ今、VISAは中央銀行デジタル通貨に取り組むのでしょうか。ここからはあくまで筆者の憶測も入りますが、そこには今回のパンデミックに関連する大きな理由が隠れている可能性があります。

現在米国では、ロックダウンによって実質的に人々の労働は停止状態にあります。そして人々の生活を支えるために、巨額の資金を経済刺激策(現金給付)として国民に配布しようとしています。

そしてその現金給付の業務コスト改善のために、「デジタルドル」導入に関する議論が加熱しているといいます。実際に、下院金融サービス委員会ではデジタルドル実装を訴える議案が提出されました。

キャッシュレス化による、紙幣や硬貨の取引による感染リスクの低下も要因の一つです。加えてパンデミックを度外視したとしても、単純なドルの送金や取引のコスト削減や、デジタル人民元への対抗など、デジタルドル導入には様々なメリットや要因があるといわれています。

VISAはデジタルドルのニーズに先立ち、”VISAであればデジタルドルは設計可能である”という事実を証明しようとしたのではないでしょうか。特許のような目に見える技術力の証明書を持つことで、将来的にデジタルドルの設計に関与することを見据えているのかもしれません。

いずれにせよ、VISAのような世界でも屈指の国際決済企業が、デジタル通貨に興味を示し、かつブロックチェーン技術の利用を試みているという事実には大きなインパクトがあります。

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