AIビジネスマッチング「yenta(イェンタ)」、大幅アップデートで地域を超えたマッチングが可能に——コロナ禍でも新たな人と出会える機能強化

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Image credit: Atrae

アトラエ(東証:6194)は11日、同社が提供する人工知能を用いたビジネスマッチングアプリ「yenta(イェンタ)」の大幅アップデートを行った。11日公開されたバージョン4系では、新たに「テレポート機能」が導入され、ユーザは地域を超えた出会いが可能になる。同社では新型コロナウイルス感染拡大を受け、多くの人が外出自粛・自宅待機を余儀される中、人と出会う機会の創出支援機能の実装を早めたと説明している。また、今回あわせて、アプリケーションインターフェースやデザインもフルリニューアルされた。

yenta は、毎日正午にビックデータ解析を元にした「10人のビジネスパーソンのプロフィール」が届き、「興味がある」と選択した人同士がマッチングできるサービス。マッチングが成立した相手とは、アプリ上でメッセージをやり取りすることができ、ランチタイムなどの時間を調整し、直接、情報交換などの交流ができる。今年2月にアップデートされたバージョン3系からは「タイムライン投稿」機能が実装され、ユーザが能動的に yenta コミュニティに対して出会いたい人を募集したり、それに対して応募したりすることが可能になった。

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バージョン4系から利用できる機能としては、前出のテレポート機能に加え、自分に「興味あり」をくれた相手のプロフィールを閲覧できる「興味ありデータの閲覧機能」、正午におすすめされるプロフィールが20人になる「1日のスワイプ数2倍機能」、毎日レコメンドされる人を年齢・職種・エリア・人気度などで絞り込める「フィルタ機能」の4つ。これらはユーザ選択に応じて有料で提供されるが、アトラエではコロナ禍のビジネス支援として、5月中はテレポート機能を無料提供する。なお、バージョン2系以降で提供されていた、他ユーザへのレコメンド表示回数を5倍に増強できる「ブースト機能」は今版から廃止された

yenta のフィルタリング機能では、リクルーティング関連の絞り込みはできない。これはおそらく、アトラエが運営する求人メディア「Green」とのバッティングを避ける意図があるのだろう。一方、コロナ禍では事業立ち上げや資金調達をオンラインで完結させるスタートアップも増えてきたが、アトラエでは投資家やパートナー探しには積極的に yenta を活用してほしいと考えているようだ。実際のところ、ファクタリングスタートアップ OLTA CEO の澤岻優紀氏と CSO の武田修一氏は yenta で知り合って起業、人工衛星運用アンテナシェアリングのインフォステラのシードラウンドには、yenta がきっかけとなってフリークアウトの明石信之氏が参加した

yenta の開発を統括したアトラエ取締役の岡利幸氏は、BRIDGE  のインタビューに対し次のようにコメントしている。

コロナで yenta への影響を心配していたんですが、逆にオンラインでの動きが活発になっていて、数値的にもポジティブに出ています。こんな状況だからこそ、人との出会いを気軽にできる UX を持った yenta が、地域の距離の概念を超えられる機能を無料で開放することで、今までのオフライン99%だった yenta よりも価値のある形になるかもしれないと期待しています。

アトラエでは今回、地域を限定しない日本全国版を出せたことを受け、今後、海外版のローンチに弾みをつけたいとしている。

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