AI投資を進める中国、全人代で提言された3つのテーマとは

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<ピックアップ> Chinese tech leader says AI can play a role in Beijing’s goal of eliminating poverty

ニュースサマリー:中国最大手の AI 音声認識企業  iFlyTek(科大訊飛) 会長の Liu Qingfeng(劉青峰)氏は、2020年5月に行われた中国の全国人民代表大会で、スマート教育、公衆衛生、スマートオフィス、私立大学、税制に関する5つの提案を実施した。同氏はまた、中国における貧困撲滅において、AI が不平等の平準化と新規雇用創生において大きな役割を担うだろう、と持論を展開している。

重要視すべき理由:中国は、2030年までに AI のグローバルリーダーを目指す目標を設定。2030年までのロードマップとして、AI 活動は1兆人民元(約15.3兆円)、関連産業は10兆人民元(約153兆円)以上の市場規模となると予想している。Liu Qingfeng 氏は AI 技術が医療能力を向上させ、中国の貧困からの脱却に重要な役割を果たすと語った。

詳細情報:Liu 氏が提案した5つの提案のうち3つ(スマート教育、公衆衛生、スマートオフィス)は AI の適用に関連するもの。

  • スマート教育:中国における中学生の宿題は60%以上は繰り返しの問題であり、学生に無駄な労力をかけている。Liu 氏は AI 技術を使用して教師と生徒に負担を軽減し効率を向上させることを奨励。AI を含む教育分野の新しいインフラへの投資を増やすことを提案した。
  • 公衆衛生:Liu 氏によれば2018年から安徽省において、ある AI 支援診断技術が1万4,000の医療機関で使用されており、4,000万人以上に恩恵をもたらしたとしている。新型コロナウイルス感染拡大の際、自動 AI 通話が中国全土で5,900万人の診断のために使用され、3万6,000人の発熱と4万7,000人のウイルス陽性診断の結果を下したとしている。Liu 氏は公衆衛生サービスの効率を高めるため、自動 AI 通話システムの使用を中国全体に拡大することを提案した。
  • スマートオフィスLiu 氏は全国人民代表大会において、オフィスとサービスの品質・効率化を支援する AI 音声技術の導入を提案。AI音声技術サービスを使用して職務を実行し、全国人民代表大会の立法作業を支援・効率化をすることも提案している。

背景:iFlytek は先進的な音声認識と自然言語処理システムの開発で、中国国内最大手 AI 企業の一つとして台頭している。China Mobile(中国移動)が筆頭株主で、スマート翻訳機をはじめ様々な音声認識サービスを提供している。

via South China Morning Post(南華早報)

執筆:國本知里/編集:増渕大志

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