Alibaba(阿里巴巴)、社内で実施した「新型コロナ対応の全て」を公開

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Alibaba(阿里巴巴)

<ピックアップ> Digital action in the age of COVID-19

ニュースサマリー:Alibaba(阿里巴巴)は4月10日、新型コロナウイルス感染拡大における自社プロダクトごとの対応をまとめたハンドブックを公開した。同資料は実際に選択した対応策を基に構成されている。

重要視すべき理由:新型コロナウイルスと戦う世界中のデジタル起業家の参考資料として作成されたこのレポートでは、Alibaba の30を超える全ビジネスユニットで行った施策が網羅されており、各プロダクトにおける対応策を講じてから現時点までのアウトプット結果までが詳細に記されている。

詳細情報:資料では各ビジネスユニットが受けたネガティブ要素を具体的に列挙し、それに対して取った対応策が記載されている。資料は PDF で100ページ以上で、「パンデミックに起因する社会的課題を軽減する上でデジタルプラットフォームとツールがもたらす実際の影響を示すこと」を目的に作成された。

  • 例えば、Ant Financial(螞蟻金融)については以下のような対応が行われたとされている。Alipay(支付宝)は、アプリ内に新型コロナウイルスに関する情報を提供するセクションを設置すると同時に、保健プラットフォームでは新型コロナウイルスの対応にあたる医療従事者向けの基金を立ち上げた。
  • また、アプリ開発者が新型コロナウイルスに関連したミニプログラム(小程序)を開発することを奨励するインセンティブプログラムを開始し、Ant Financial のモバイル開発プラットフォーム(mPaaS=mobile Platform-as-a-Service)を無償で提供した。
  • さらに Alipay も、プラットフォームを無償で提供し今後3年間で4,000万のサービスプロバイダーがビジネスをデジタル化できるようにする計画を発表した。
  • Ant Financial と MYBank(網商銀行)は中小企業向けに、ブロックチェーンを利用した非接触入札システムや地域や状況等に応じて無担保・低金利・無利子での資金援助を行うとしている。
  • このような事例がビジネスのバックグラウンドやその結果とともに記載されているほか、AGI(Alibaba Global Initiatives)が行った起業家研修プログラムに参加したアジアやアフリカからの参加者が、自国で対応にあたったケーススタディーや、2003年の SARS 流行時に、Alibaba の意思決定者であった COO の Savio Kwan(関明生)氏が、当時発生した各問題に対してどのように対応にあたったかといった内容も記載されている。
  • 「Digital action in the age of COVID-19」公開(4月10日)以後の新型コロナウイルスに対する Alibaba の取り組みについては、専用サイトが開設されている

背景:同社は過去に SARS を経験しており、様々な取捨選択を迫られた経験を持つ。しかし、同社 e コマースや現在の主要サービスのいくつかは当時の情勢を反映させ誕生したものでもある。Alibaba は創業間もない頃に SARS を経験し、パンデミックを経験するのは今回で2度目。

  • さらに小売 e コマース部門の1つである Taobao(淘宝)は、2003年の SARS 発生時に誕生した。Alibaba とAnt Financial は2020年3月末までに、新型コロナウイルスに関連して寄付、助成金、技術サポートという形で約34億人民元(約520億円)を提供している。

via Yuque(語雀)

執筆:椛澤かおり/編集:増渕大志

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