EVに力を入れるタイ、「Energy Absolute Plc」は2020年中に5,000台のEV車製造へ

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Photo by Matheus Bertelli on Pexels.com(写真はイメージです)

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ニュースサマリ:太陽光や風力による再生可能エネルギー事業を複数展開しタイで最も急成長している企業の1つであるEnergy Absoluteは、現在EV車の開発・製造に力を入れている。同社は2020年中に5,000台のEV車製造・1000台以上の充電ステーションの導入を予定しており、現在1万台の車を組み立てられる工場を建設中だ。

重要なポイント:同社はEVライフサイクルに関連するのすべての事業(発電、バッテリー製造、自動車製造、充電ポイントの設置)を総合的に手掛けるという点がテスラと共通しているため、タイのテスラと呼ばれ注目を集めている。CEOのSomphote Ahunai氏は昨年フォーブス誌が選ぶタイで最も裕福な20人のうちの1人として紹介され、2019年末の総資産額は推定19億米ドルと報じられた。

詳細情報:2019年に販売を開始したMine Mobilityは同等クラスのEV車である日産リーフやKia Soulよりも安く値段は120万バーツを下回る(米ドル換算で4万ドル弱)価格で、1回の充電で200kmの走行が可能。

  • 5人乗り自家用車のMine Mobility以外にも、さらに安価なコンパクトカーや高価なスポーツカー、EVボートの生産に向け現在取り組んでいる(EVボートは現在河川にてプロトタイプのテストを行っている)。
  • リチウムイオン電池を製造する30億ドル規模の工場の建設も進行中で、完成し工場がフル稼働するとタイはリチウムイオン電池生産量が世界第三位となる。
  • 新型コロナウイルスの影響で今後の計画の見直しなどは避けられないとしながらも、現在でも工場の稼働やリチウムイオンバッテリープラントの建設、開発など継続している。
  • 国内の事業を進めるのと並行して、インドネシア、ベトナム、マレーシア、フィリピンを含む近隣諸国への進出も計画、東南アジア全体のEV自動車領域におけるリーダーとなることを目指している。

背景:東南アジアでは二輪車の高い普及率や値段の高さから、これまでEV車の普及が進んでいない。タイ政府は現在深刻な問題となっている大気汚染の緩和にも繋がるためEV自動車の導入に積極的である上、国内総生産の12%を占める自動車産業を今後強化していく方針。

また、タイは多くの外国企業の自動車製造拠点となっており工場が多くあるため、自動車製造に関し熟練した労働者を多く抱えているのも特徴。こういった背景からタイは東南アジアで最初にEVメーカーに対しての優遇税制措置を実施。企業は8年間の法人税控除、機械および部品の輸入税の免除、物品税の減額を受けることができるため、BMWやダイムラー、メルセデス・ベンツ、日産などもタイでのEV車製造の計画を検討している。

執筆:椛澤かおり/編集:平野武士