
ロイターは昨年、東南アジアの配車サービス大手 Grab が、同社の電子ウォレットサービスである「OVO」と、Ant Financial(螞蟻金融)と Emtek Group の合弁会社が運営するインドネシアに特化した電子ウォレットプラットフォーム「DANA」が合併を計画しているとを独占報道した。
ブルームバーグは12日、インドネシア市場での競合 Go-jek が所有するデジタル決済サービス「GoPay」の支配に立ち向かうため、OVO と DANA が合併することに原則的に合意したと報じた。本件に精通する人物の話を引用すると、両社はバンレートを下げることを目指しており、双方のバリュエーションや事業構造上の相違点における問題を解決したという。
両社合併の調印は新型コロナウイルス感染拡大の影響で遅れていたが、詳細が確定すれば「すぐに実現する可能性がある」と報道では述べている。
OVO と DANA の両社はこの件についてコメントを辞退した。
Rapyd の最近のレポートによると、インドネシアの消費者はカードや現金よりも電子ウォレットを強く好み、33.8%が3つの電子ウォレット(OVO、Go-Pay、DANA)のうちの1つを優先的な決済手段として選んでいる。
これらのユーザの中で、OVO は69%の回答者が過去1ヶ月間に利用したことがあると回答しており、頻繁に利用されている決済手段の第1位となっている。また、17.8%の回答者が OVO を選択し、インドネシアで最も好まれる決済手段となっている。
OVO と DANA の合併は、市場でより強力なプレーヤーの誕生につながるだろう。
OVO の CEO Jason Thompson 氏は最近の e27 とのインタビューの中で、新型コロナウイルス感染拡大の結果起きた、インドネシア市場における「デジタル決済の採用に向けたポジティブな変化」に言及した。
以前、Go-Payは2019年7月、国営携帯電話事業者 Telkomsel のデジタル決済サービス LinkAja との提携を発表している。
Go-jek 自身は最近、直近の資金調達ラウンドで新たな投資家として Facebook と PayPal を迎えた。この投資には、PayPal が Go-jek のプラットフォームに連携され、世界中の加盟店ネットワークへのアクセスを可能にする可能性が含まれる。
本件は進展あり次第、続報をお伝えする。
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