東京ガス、住設メーカーやスタートアップと連携しLaaSに参入——生活関連サービス全般をサブスクで

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スミレナ代表取締役社長 酒井陽平氏(右)、常務取締役 本澤尚史氏(左)
Image credit: Sumilena

東京ガス(東証:9531)からスピンオフした LaaS(Life as a Service)に特化した新規事業会社スミレナは17日、都内で記者会見を開き、メーカーとの連携で住宅設備のサブスクリプションサービスの提供を開始すると発表した。初期費用無しの月々払で利用でき、工事費用や駆けつけ・修理保証も月額定額料金に含まれる。関東圏を対象に事業を開始し、10年間でユーザ50万軒の獲得を狙う。また、スタートアップ4社とも連携し、生活関連サービスをサブスクリプション型で提供することも明らかにした。

スミレナは、消費者の生活をより豊かなものにし、住設メーカーや施工店に対しても市場機会拡大の提供を意図して、東京ガスから生まれた「シマウマスタートアップ(代表取締役社長の酒井陽平氏談)」。コンロ、給湯器、キッチン、バスルームなど値の張る最新鋭の住宅設備を、安価な月額サブスクリプション形式で提供する。契約をはじめ一連の手続を Web で完結できるのも特徴で、設備に加え電気料金も特別パッケージで提供する。

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酒井氏は、今回の生活関連サービスの提供は、消費者が住宅設備を新調・新規導入するのに加え、家の中をより心休まる空間にしてもらうためのものと説明した。新型コロナウイルスで家の中に滞在する時間が長くなる中、ユーザが生活をより豊かで過ごしやすいものにすることを支援する。

連携するスタートアップは次の4社。

  • トラーナ………子供の成⻑に合わせた上質な知育玩具を毎月定額でレンタルできる「トイサブ!」を展開(関連記事
  • パンフォーユー………毎月全国のどこかのパン屋さんからこだわりの冷凍パンを届ける「パンスク」を展開(関連記事
  • PostCoffee………コーヒー診断でユーザ好みのコーヒーを定期便で届けるサービスを展開
  • ウェブシャーク………快適すぎて動けなくなる魔法のソファ「Yogibo」を展開

今日6月17日から7月16日までの1ヶ月間は第一弾「Rest HOME」キャンペーンとして、スミレナでは最大1万円を料金から割り引く。キャンペーンで適用される割引内容は、利用するスタートアップのサービスにより異なる。詳細はキャンペーンサイトを参照されたい。

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東京ガスは2019年12月、新規事業の創造を目的とした100%子会社として東京ガスリブソリューションズを設立した。東京ガスリブソリューションズ傘下には、その100%子会社として「新ブランドによるエネルギーサービス事業」を展開するヒナタオエナジーと、「暮らし総合サービス事業」を行うスミレナが設立された。ヒナタオエナジーは5月、エネルギースタートアップ ENECHANGE の協力を得て、新エネルギーブランド「ヒナタオでんき・ヒナタオガス」を皮切りに EaaS(Energy as a Service)を開始した。

エネルギー分野では、Shell が支援する定額制クリーン電力スタートアップ Inspire(アメリカ)、太陽電池を使った定額制電力スタートアップ Mojo Power(オーストラリア)など興味深いスタートアップが存在する。日本では東京電力もまた、TEPCO i-フロンティアズや CVC の東京電力フロンティアパートナーズなどを通じて、エネルギー関連や生活関連サービスを提供する内外のスタートアップと連携を始めている

<参考文献>

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