更年期障害を抱える女性のためのウェアラブル「Grace」が実証実験開始

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Image Credit : Astinno

ピックアップ:UK start-up, Astinno, one step closer to solving menopausal hot flushes with smart-bracelet, Grace

ニュースサマリ:更年期障害を抱える女性のためのウェアラブルデバイス「Grace」を開発するAstinnoは5月13日、英政府のイノベーション推進機関「Innovate UK」から450万ドル相当の助成金を獲得したことを伝えている。

今回の助成金は、新たに技術パートナーとなったMorgan IAT社と、研究パートナーでもあるLoughborough Universityとの開発共同資金に充てられる。テストは、有国立スポーツ・運動医学センター(NCSEM)のスタッフが、開発技術の有効性評価基準を確立した上で実行する。

重要なポイント:「Grace」と名付けられた同社のブレスレット型ウェアラブルデバイスは、「ホットフラッシュ」とも呼ばれる更年期のほてりやのぼせ・発汗を抑制するための自動冷却製品。搭載されたセンサーでホットフラッシュの発生を検知すると、手首を冷やすように設計されている。

詳細:AstinnoのCEO・Peter Astbury氏は、更年期障害の症状について実際に女性に話を聞き、ホットフラッシュや寝汗の対処法などを聞いてユーザーリサーチをした結果「Grace」のアイデアを思いついた。

・Astinnoはこれまでもいくつかのプロトタイプを開発し、限定的なユーザーテストも実施してきたが、コア技術の有効性を確実には証明できていないため、より高度なテストを実行するために、今回の助成金を受けた。

・チームは今後12カ月間、製品の技術的・商業的な実現可能性を実証していく。現段階では、製品がいつ市場に投入されるかのタイムラインは未定。

・日本やアジアのFemtech企業のスタートアップ支援やコミュニティ育成を行う「fermata」が4月に発表した日本国内のFemtechのマーケットマップによると、「更年期・閉経」カテゴリに該当する日本国内のFemtech企業は発表時点ではなかった。

背景:同社プレスリリースによると、英国だけで毎年、更年期障害によるホットフラッシュを経験しはじめる女性は推定30万人とされている。この数字は今後も上昇し、2025年までには全世界の人口の12%である10億人以上が影響を受け、その市場規模は今後7年間で160億ドルに達すると予想されている。

執筆:理沙子(Risako Taira)/編集:平野武士

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