AIスタートアップ、2020年Q2は2017年以来最低のスランプに【CB Insights調べ】

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Image credit: Pixabay

2020年の第2四半期、ベンチャーキャピタルによるAIスタートアップへの支援は大幅に減少した。AI業界はパンデミックの影響を受けないかのように見えていたが、ついに巻き込まれてしまった。

CB Insightsのレポートによると、4月〜6月におけるAI関連のスタートアップによる資金調達は458件で72億2,000万米ドルだった。2020年第1四半期の506件84億米ドルからの減少となった。

レポートでは、第1四半期にWaymoが22億5,000万米ドルを調達した巨額のラウンドにより調達金額に偏りが生じたとされている。Waymoはラウンドを30億米ドルまで延長したために残りの7億5,000万米ドルは第2四半期に含まれることになった。だが、懸念されるのは取引件数の減少傾向だ。2020年第2四半期のAIスタートアップの取引件数458件というのは、2017年第2四半期の取引件数387件に次ぐ最低記録だ。

取引の減少はシードラウンドの減少によるものと考えられる。ベンチャーキャピタリストは成熟したAI企業へ投資しているようだ。同レポートには第2四半期に行われた1億米ドルを超える「メガ」ラウンドが15件もリストアップされている。

2020年にかけて、AIはベンチャーキャピタルの最もホットなセクターのひとつになった。2019年、全世界のAIスタートアップによる資金調達は、2018年の1,900件221億米ドルから増加し、2,200件266億米ドルの記録を打ち立てた。2020年に入ってから初めの3カ月間はまだ新型コロナウイルスの影響が深刻化しておらず、506件84億米ドルとAI業界は安定していた。

それでも、米国はAIスタートアップの資金調達において優位を保っていた。全取引件数のうち中国のAIスタートアップは15.5%(71件)だったのに対し米国は39.5%(181件)、調達額は中国が13億5,000万米ドルだったのに対し米国は42億2,400万米ドルだった。

今年、世界的なパンデミックにより、AIはヘルスケアの研究や追跡などの分野で好調だ。同レポートによると、ヘルスケア関連で活動するAI企業の取引件数は第2四半期で84件であり、第1四半期の82件から増加している。しかし金融関連のAIなど他の分野では減少している。

IPO市場は閉じたままだが、レポートによると買収は第1四半期の29件から増加し47件行われた。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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