10代起業家が挑む「プラボトル廃棄問題」、Nohboに著名投資家ら300万ドル出資

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画像出典:Nohbo

ピックアップ:Plastic-free, water-soluble personal care brand Nohbo raises $3m in seed funding

重要なポイント:プラスチックフリーで持続可能なパーソナルケア製品を開発するスタートアップであるNohboは3月27日、シードラウンドで300万米ドルを調達したことを発表した。同ラウンドを率いたのはMaterial Impactで、Safer Madeや既存の投資家であるMark Cuban氏のRadical Investmentsと共同で行われた。

詳細情報:Nohboは使い切りタイプの生分解性フィルムをパッケージに活用した、シャンプーやコンディショナーなどのパーソナルケア製品「Nohbo Drops」を開発し、過剰なプラスチック廃棄の問題に取り組んでいる。

  • 同社は当時14歳だったBen Stern氏が、ビジネスアイデアをプレゼンし、審査員を務める投資家から投資を受けるアメリカのテレビ番組「Shark Tank」に出演。大絶賛を受け起業資金を調達。その後、Influencive Top 30 under 30 Entrepreneurなどの賞も受賞し、2018年に「Nohbo Drops」を発表した。
  • 創業者兼CEOのBen氏は今年3月の同社プレスリリースにて「世界では使い捨てのプラスチックへの依存と中毒が起きています。パーソナルケア製品だけでも、米国市場では年間サッカースタジアム約1,200個分の廃棄物に相当するシャンプーボトルが消費されています」とコメントしている。
  • 今回得た資金により、Nohboは製造規模を拡大し、月1,500万個を生産することが可能となる。また同社は欧州最大級のホテル販売代理店と協力して、欧州市場への製品導入も進めている。
  • さらに現在同社はDropsをウェブサイトで直接販売しているが、今年後半にはサブスクリプションサービスの提供も開始する予定。取締役のMark Cuban氏はサブスクリプションサービスの開始について、「今後5~6年で1億米ドル規模の企業になる可能性がある」とコメントした。

背景:Crunchbaseによると、プラスチック代替品を開発するスタートアップ企業は昨年8億5,000万米ドルの資金調達を記録したという。また、NPDがWWDに寄せたコメントによると、Clean Beauty(有害成分が含まれていない美容製品)市場は、Beauty市場全体が14%減少しているにもかかわらず、今年は11%成長しているという。これらの背景から、消費者は持続可能性を重視する企業の製品を買いたいと考える傾向が見受けられる。

日本でも2020年7月1日よりプラスチック製買い物袋の有料化が進められたが、毎年7月は「#PlasticFreeJuly」というプラスチック製品を絶つ運動が国境を超えて開催されている。公式サイトによると、現在世界177ヵ国以上が賛同し、約2.5億人がチャレンジに参加している。

執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:岩切絹代

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