家庭用採血キットのTassoが1,700万米ドル調達、拡大する遠隔医療市場

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Image credit: Tasso

ユーザが自分で採血できるキットを提供する遠隔医療企業のTassoはシリーズAラウンドで1,700万米ドルを調達した。

遠隔医療市場はソーシャルディスタンシングの必要性からここ数カ月間で需要が高まっている。コンサルティング会社のFrost and Sullivanによると、ロックダウンが行われた最初の1カ月だけでバーチャルヘルスコンサルティングは50%増加した。新型コロナ以前のオンライン診察の予想件数は年間3,600万件だったが、今年は現時点ですでに2億件に達している。

シアトル拠点のTassoは2011年設立。乾燥血液用の「Tasso-M20」と液体の血液用の「Tasso-SST」の2種類の採血デバイスを提供する。用途は疾病調査、診断、慢性疾患のモニタリング、スポーツにおけるドーピング検査など多岐にわたる。キットは製薬会社、保険会社、学術医療機関、政府機関、医療センターといったTassoの顧客から発送される。

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キットはとても簡単に使えるようにできている。ユーザはTassoのデバイスを腕に付け、ボタンを押し、タイマーを5分にセットするだけで毛細血管から必要な量の血液を採取することができる。

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静脈から血液を採取する場合は、医療専門家が血管に注射針を刺さなければならない。だが多くの場合、静脈からの採血にさほどメリットがあるわけではないという。TassoのCEO、Ben Casavant氏はVentureBeatに対し次のように語った。

Tassoは、私たちが収集する毛細血管の血液が静脈血と同等であることの検証を行なっています。私たちはFDA(米国食品医薬品局)の承認を得ており、プラットフォームでのテスト数の拡大につながる臨床試験へのパイプラインを持っています。

ソーシャルディスタンシング以外にも、近くに医療センターがない患者や、なんらかの理由で健康診断に出向くことが難しい人々にとってTassoは最適だ。

私たちがサービスを提供したいのは、農村地域やサービスが行き届いていないコミュニティなど検査へのアクセスが不十分な人々、クリニックへ頻繁に出向かなければならない​​慢性疾患のある人々、そして注射針への恐怖や感染リスクを避けるために診察に行けない人々です(Casavant氏)。

現時点ではプロセスの大部分をデジタル化できておらず、手作業でデバイスを送付し、ユーザがCLIA認定を受けた機関へ返送している。だがCasavant氏は「デジタルパイプライン」なる計画を持っている。これは採血中にモバイルアプリで問診をしたり患者に重要なデータを提供したりするというものだ。

家庭での検査

家庭用診断キットが急速に広まったことで恩恵を受けているのはTassoだけではない。医師が患者の肺、心臓、喉、耳、皮膚、腹部および体温を遠隔診察できるソフトウェア・ハードウェアプラットフォームを提供するニューヨーク拠点のTyto Healthは5,000万米ドルを調達した。家庭用コロナウイルス検査キットのLetsGetCheckedは7,100万米ドルを確保している

遠隔医療サービスはオンライン薬局まで広がりを見せている。ここ数週間だけでも、MedlyTruepillが合わせて1億2,500万米ドルを調達している。

Techstars出身のTassoはこれまでに助成金とエクイティファンドを合わせておよそ1,900万米ドル調達している。さらに今回のラウンドで1,700万米ドルを確保し、同社は新型コロナウイルスによるTasso OnDemandデバイスへの需要の高まりに応えるため、「製造と運営のスケーリング」を計画している。

新型コロナウイルスにより、自宅での抗体検査の需要と、必要な検査を受けることが困難な患者をケアする医療機関からの依頼が急増しています。国防総省とも検査キットの大規模契約を結びました。増大するニーズに応えるべく拡大に取り組んでいます(Casavant氏)。

※本稿は提携するVentureBeat記事の抄訳です

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】