Amazonの自動配達ロボ「Scout」がエリア拡大中、国内はどうなる

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Image Credit : Amazon

ピックアップ:Amazon’s Scout robot deliveries expand to additional cities in Georgia and Tennessee

ニュースサマリー:米Amazonが、自動配達ロボット「Scout」のサービス提供を新たにジョージア州アトランタとテネシー州フランクリンで開始する。これまでと同様に、小規模で特定の顧客をターゲットにした運用が行われる予定。

重要なポイント:ニューヨークやサンフランシスコといった人口の多い大都市に関しては歩道が混雑しScoutの運用拡大に前向きではないため、Amazonとしては今回のような限定された地域での運用を引き続き行い、安全性に関する懸念の解消を目指す。

詳細情報:Scoutは2019年1月に米シアトルに近いワシントン州スノホミッシュ郡で試験運用を開始し、同年8月にカリフォルニア州アーバインでも運用を開始している。

  • 新型コロナウイルスによるロックダウンや自粛生活の中、自動ロボットの役割の重要性が認識されたことはAmazon Scoutの普及の足がかりとなっている。
  • 自律配送スタートアップの「StarshipTechnologies」も同様に、パンデミックにより米国にて新たにアリゾナ州テンペやカリフォルニア州アーバイン、英国にて新たにミルトンケインズにサービスを拡大している。
  • StarshipTechnologiesは、2019年8月に4,000万米ドルの資金調達をし、2021年までに100大学へのサービス拡大を目指している。
  • 国内では、ロボットスタートアップZMPが提供する宅配ロボ「DeliRo」が代表例。2019年1月に、慶応義塾大学SFCキャンパスで世界初となるコンビニ商品の無人配送の実証実験を行うなど、着実に実用化に向けての動きを進める。なお、7月から行われているTakanawa Gateway Festでは期間限定で無人デリバリーサービスの実証実験を予定している。
  • Amazonと同様に楽天も配送ロボットのサービスの提供を手掛けており、2019年5月に千葉大学で生協の商品の配送実験を行ったり、大手スーパーマーケット西友と連携し商用配達サービスを行ったりするなど実用化に向けた動きを示している。
  • 楽天の大きな動きとして、2019年2月に、中国の大手ECサイトJD.comを運営する京東集団と日本国内の無人配送ソリューション構築に向けた提携を開始したことが挙げられる。楽天が持つドローン配送の運用ノウハウや専用ショッピングアプリのソリューションと、京東集団の持つドローンと地上配送ロボットを組み合わせることで、無人配送ソリューション構築の加速を目指す。
  • その他、三菱地所も米Marble社の自動配達ロボットの運用を行うが、楽天と同様に他社の開発したロボットの運用をローカルで行う形を取っている。一方で、前述したZMPは自社で開発したロボットを活用してサービス提供をしている点でユニークな立ち位置といえよう。

背景:自動配達ロボットなどの普及に不可欠なのがサービス運用におけるルール整備だ。2019年には官民協議会が経産省主体で開催されており、ヤマトホールディングス、日本郵便、楽天、ZMPのような民間企業のほか、各自治体や警察庁、国土交通省などが参加し、実用化へ向けた動きを本格化させている。

執筆:國生啓佑/編集:岩切絹代