RegTechスタートアップのBasset、ニチガスとブロックチェーンを使った不正検知システムを共同開発

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東京を拠点とする RegTech スタートアップの Basset は、日本瓦斯(ニチガス、東証:8174)と共同でブロックチェーンを使った不正検知システムを共同開発したと発表した。

ニチガスはかねてよりガス業界における DX 化に積極的で、昨年来、エストニアで開発された X-Road(関連記事)と暗号資産に用いられるブロックチェーン技術を組み合わせたサービス「ニチガスサーチ」を開発している。ニチガスサーチは、顧客の情報検索や受付業務の統合管理プラットフォームで、ニチガス社内で昨年から運用が開始され、コールセンター業務のワンストップ化を実現した。

Basset は今回、ニチガスサーチに組み込まれる形で不正検知システムを開発した。改ざん不可能な状態でブロックチェーンに記録されたアクセスログをリアルタイムで分析し、顧客情報に関する莫大な量の記録から AI によって不正なアクティビティの兆候を事前に捉え、情報管理体制の安全性を高める。

ニチガスでは、エネルギー業界における同時同量の課題の効率的解決、スマートメーター等の使用量計測 IoT デバイスからのデータ活用、得られた情報に関するトレーサビリティおよび透明性の担保によるデータの民主化に取り組んでいくこととしており、Basset はそれを支えるエネルギーのトークン化や小売スマートコントラクトの開発、流通の最適化と安全な取引を支援する技術の開発を目指すとしている。

エネルギー分野におけるブロックチェーン技術の応用では、日本のグローバル・ブレイン東京電力フロンティアパートナーズなどから資金調達を果たしている Electrify が記憶に新しい。同社は不正を誘発しづらいブロックチェーン技術を活用し、小売電力マーケットプレイスや小売電力スマートコントラクトをローンチしている。

Basset は、仮想通貨取引の AML(アンチマネーロンダリング)や CFT(テロ資金供与対策)監視ソリューションの開発・提供でも知られる。同社は昨年9月、シードラウンドで Coral Capital から5,000万円を資金調達した。この分野には、アメリカの Chainalysis、昨年 Coinbase が買収した Neutrino.nu、SBI インベストメントらが出資するイギリスの Elliptic など少なからず競合が存在する。

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