
ニュースサマリ:インフルエンサーマーケティングを手掛けるBitStarは8月17日、第三者割当増資の実施を公表した。引受先になったのは電通グループ、丸井グループ、フォーイット、SKIYAKI、ビーマップ、セガサミーホールディングス、コロプラネクスト、ABCドリームベンチャーズ、その他個人投資家。
株式による出資に加え、金融機関からの融資を合わせて調達した資金は約10億円。個人投資家の氏名については非公開。各社の出資比率や株価についても開示していない。また、今回の出資に合わせ、BitStarは電通パブリックリレーションズとソーシャルブランディング領域において業務提携も実施する。
話題のポイント:インフルエンサーマーケティングで古株になりつつあるBitStarが事業会社中心に大きく調達してきました。同社代表取締役の渡邉拓さんに今回の増資意図を伺ったところ、事業としては黒字化、収益化に向けた折り返しポイントで事業成長に関連した企業からの出資にフォーカスしたという説明でした。

この領域は上場して先行するUUUMや、ソニー・ミュージックエンタテインメントなどが出資するTHECOO、仮想化したキャラクターをインフルエンサーとして活躍させるVtuber関連のいちからやZIZAI、カバーなど、力のあるプレーヤーが増えている激戦区になっています。
参考記事
渡邉さんに改めてBitStarの勝ち筋についてお聞きしたところ、インフルエンサーの発掘、育成、マネタイズまでを一貫して実施すること、そしてテクノロジーの活用がポイントになるとお話されていました。
「エンターテインメントの世界はそれこそリアルな世界で歌舞伎のようなスターが生まれ、それが映像になり、テレビと移っていった歴史があります。テレビにはそれまでなかったスポーツなどの新たなコンテンツが生まれ、スターもその時代で変わります。スマートフォン、SNSが全盛の今も同じで、この環境に最適化されたスターやコンテンツが生まれるはずです。なので、大きな意味でエンターテインメント自体の本質は変わりません。
一方、こういったコンテンツ産業はこれまでプロダクションや放送網、広告などで分断が発生していました。インターネットの世界では、この領域が微妙に重なりあってきています。私たちはプロダクション、コンテンツ、広告という領域を一体化して考えているところに強みがあるのです」(渡邉氏)。
特にテクノロジーについては、データが取れることになったことで、従来型のプロダクションにはないスケール感や未来像が出てきているそうです。例えば新たなスターを発掘する際、従来は古典的な「声かけ(スカウト)」が想像されます。BitStarでは独自の測定方法によるランキングを持っており、ある一定のしきい値を超えるとその人物を検知して社内で発掘する仕組みがあるそうです。

育成についてもデータに基づいたレポートが即時で出たり、マネタイズに関しても「BitStarネットワーク」という新たな仕組みを提供し、企業とインフルエンサーを自動的にマッチングさせる仕組みを提供するそうです。今回、事業会社との提携では、こういったテクノロジーを活用した取り組みを促進させる狙いもあります。
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