コロナ禍で需要増、従業員向け不妊治療支援サービス「Carrot」

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画像出典:Carrot 公式ホームページ

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ニュースサマリ:企業向けに従業員の不妊治療を支援するサービスを提供するCarrotは、2,400万米ドルのシリーズBラウンドの資金調達を完了したことを2020年8月18日に発表した。本ラウンドはU.S. Venture Partnersが主導し、F-Prime Capitalのほか、CRV、Precursor Ventures、Maven Ventures、Uncork Capitalなどの既存投資家が参加している。

詳細情報:今回の資金調達により、同社は累計4,000万米ドル以上を調達。現在、BoxやSnap、Pelotonなど100社以上の企業と契約し、北米、アジア太平洋、ヨーロッパ、南米、中東の42カ国以上でサービスを提供している。

  • Carrotは2016年、サンフランシスコにて設立。同社CEOで共同創業者であるTammy Sun氏自身が、34歳のときに卵子凍結を行った体験が設立のきっかけだった。
  • TechCrunchの2017年9月のインタビュー記事によると、当時AppleやFacebookなどの企業は従業員向けに不妊治療支援を福利厚生として取り入れていたが、Sun氏が当時勤めていた企業にはそうした制度がなく、ポケットマネーで約3万米ドルを支払ったという。
  • 同社は企業(雇用主)向けの不妊治療サービスプロバイダーとして、従業員の不妊治療の全行程をサポートする。契約企業は同社のサポートを活用し、経済的・医療的・精神的な面で従業員の不妊治療を支援できる。
  • 具体的な同社のプログラムには、卵子凍結、体外受精(IVF)、養子縁組、ドナーなどが含まれており、薬のセットが自宅に届く「Carrot Rx」や、不妊治療のためのデビットカード「Carrot Card®」といったオリジナルサービスもある。
画像出典:Carrot 公式ホームページ
  • 8月18日に発表された同社プレスリリースによると、今回の追加資金は、Carrot社のグローバルなサービス拡大、遠隔医療やそれに関する製品開発、優秀な人材の採用に充てられる予定だという。

背景:同社CEO兼共同創業者のTammy Sun氏がFortuneに寄せたコメントによると、COVID-19の影響下においても「不妊治療は必要不可欠でコアエッセンシャル」であることが明らかになったという。

実際に、2020年7月の同社サービスの予約件数はCOVID-19以前の数値を超えており、自宅から遠隔で2,000人以上の専門家にチャットで医療相談ができるサービスにおいてはパンデミック以前と比べ、4倍に増加しているそうだ。

執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:岩切絹代

 

 

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