中国、デジタル人民元の大規模試験運用を開始【報道】

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100人民元札に印刷された、中国人民銀行本行
Image credit: TechNode/Eugene Tang

中国の大手銀行複数で選ばれた行員らにより、待望のデジタル通貨の試験運用が大規模に始まったと Caijing(財経)が5日報じた

重要視すべき理由:この試験は中国人民銀行が4月に発表したパイロットプログラムを延長したものだが、中国国内の4つの主要都市でホワイトリストに登録された行員のみに利用が限定されていた。

  • それにもかかわらず、このニュースはデジタル人民元のテストが進展していることを示唆している。
  • 中国のデジタル通貨であるデジタル通貨・電子決済プロジェクト(DCEP、デジタル人民元)は、中国で最も期待されている金融イノベーションの一つであり、中国人民銀行の人民元管理に革命をもたらすと期待されている。

詳細情報:ある銀行の匿名情報筋は、中国農業銀行、中国工商銀行、中国建設銀行、中国銀行のホワイトリストされた行員は、送金や決済にデジタル人民元を使用し始めた、と Caijing に語った。

  • これらのユーザは、4つの銀行の少なくとも一つにデジタルウォレットを開き、自身の銀行口座と接続することが求められる。
  • その後、デジタル人民元アプリをダウンロードし、デジタル通貨利用にあたりホワイトリストに載った人物かどうかを確認するため ID 番号を利用する。このアプリはユーザのデジタルウォレットに接続し、順に銀行口座に接続する。
  • このテストは深圳、蘇州、成都と、北京近郊のある新衛星都市で実施されている。これらの都市では以前にもデジタル通貨のテストが行われたことがある。

背景:デジタル人民元は2014年から導入が検討されている。今年4月には、限定版のパイロット運用が 4都市で発表された。

  • 政府は2022年の北京冬季オリンピックでデジタル通貨をテストすることを計画しているが、現時点で詳細な情報は明らかになっていない。
  • 憶測が広がっているにもかかわらず、現金に代わるデジタル通貨として機能するデジタル人民元の全国展開の公式なタイムテーブルはない。
  • デジタル人民元は犯罪抑制や中央銀行の貨幣流通量コントロールに役立つことが期待されている。デジタル人民元は権限の戦いの犯罪を助け、お金の循環の制御の中央銀行を助けると期待される。デジタル人民元は Ant Group(螞蟻集団) や Wechat(微信)の既存のデジタル決済技術と互換性を持つとみられるが、競合にもなるだろう。
  • 中国は、中央銀行の認可を受けたデジタル通貨を試験的に導入している5カ国のうちの1つであり、最大の経済大国でもある。他にもウクライナ、ノルウェー、ウルグアイ、バハマ、マーシャル諸島などが導入を検討している。

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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