
ピックアップ:日本初のIEO(Initial Exchange Offering)実現に向け共同プロジェクトを発足
ニュースサマリー:コインチェックとHashpaletteは8月25日、日本初のIEO(Initial Exchange Offering)の実現に向け共同プロジェクトを発足したことを公表している。Hashpaletteはマンガアプリを運営するLink-Uと、ブロックチェーン分野のコンサルティングを手掛けるHashPortの合弁会社。
「IEO(Initial Exchange Offering)」は、トークン発行による資金調達とマーケティングを暗号資産取引所が支援する仕組み。企業やプロジェクト等の発行体が主体的にトークンを発行するICO(Initial Coin Offering)とは異なり、暗号資産取引所が主体となって発行体のトークン販売を実施するのが特徴。
今回のプロジェクトではHashpaletteがマンガやアニメ、スポーツ、音楽などの日本文化コンテンツ発展を目指したパレットトークン(PaletteToken・PLT)の発行を目指す。
話題のポイント:IEOは、海外ではBinanceなどの大手暗号資産取引所も採用している注目の資金調達方法です。ただし国内では未だ前例がないため、コインチェックは非常に先進的な取り組みに着手したことになります。
下図は本プロジェクトのスキーム図です。コインチェックが資金調達をサポートするパレットトークンは、コンソーシアム型のブロックチェーンプラットフォームである「パレット」上で流通する通貨となります。

パレットでは、コンテンツホルダー(企業)がファン(ユーザー)に対してNFT(Non-Fangible Token・代替不可トークン)を販売できます。NFTを使った事例としては「CryptoKitties(クリプトキティーズ)」が有名で、ユーザーはデジタルデータである子猫キャラに価値を付けて交換することができました。従来のデータであれば複製などの問題からハードルの高かったトレードをNFTは可能にしたのです。
パレットトークンの利用用途は、その取引を仲介する価値の交換手段となることです。他にも、パレットトークン保有者はトークンを委任することで、コンソーシアム全体のガバナンスに参加することもできます。
コインチェックがIEOの事業化を検討し始めたのは昨年の2019年8月頃からです。これまでの暗号資産による資金調達は、ICOなどが一般的で投機的な色合いが強いものでした。しかし今回のプロジェクトを通じ、コインチェックは社会的意義を有する暗号資産の創造に取り組むと宣言しています。本プロジェクトの今後の展開に注目です。
BRIDGE Members
BRIDGEでは会員制度の「Members」を運営しています。登録いただくと会員限定の記事が毎月3本まで読めるほか、Discordの招待リンクをお送りしています。登録は無料で、有料会員の方は会員限定記事が全て読めるようになります(初回登録時1週間無料)。- 会員限定記事・毎月3本
- コミュニティDiscord招待