密を測るAIセンサーでソーシャルディスタンシングを促進するDensity

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Image credit: Density

サンフランシスコを拠点とし、AIを利用して人数を数える赤外線センサーを開発するスタートアップのDensityは7月28日、5,100万米ドルの資金調達ラウンドを完了した。

新型コロナウイルスのパンデミックにより、世界中の都市が企業、特に飲食店に対して、密を避けるために顧客数を制限している。さらにリモートワークへの移行と不景気から企業が物理的なオフィスを持つ必要性が疑問視されている。

Densityは深度測定ハードウェアとAIバックエンドを活用して、廊下、曲がり角、出入り口、会議室といった複雑な場所での群衆分析を提供する。顧客にはPepsi、Delta、Verizon、Uber、Marriot、ExxonMobilが名を連ね、オフィスの中で最もよく使われる場所と最も使われていない場所を明らかにしたり、数百から数千名に及ぶ従業員の人数分布を提供したりする。

Farah氏はシラキュース大学大学院に在籍しモバイルソフトウェア開発企業で働いていた時にDensityのコアテクノロジーを発案した。人気カフェの忙しさを測定するというささやかな目標から模索を経て、Densityの人数計測センサーの基盤を築くに至った。

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Image credit: Density

センサーは137のサプライチェーンから供給される800以上のコンポーネントから成る。その複雑な性能に似合わず、手のひらにすっぽりおさまる小さな長方形のボックスだ。

出入り口などの上に設置されたセンサーは、クラス1(設計上本質的に安全なレーザー光)の赤外線レーザーを2つ使い、床からの反射を利用してフレームごとに動きを追跡する。人が運んでいる箱、ベビーカー、手押し車といったノイズをアルゴリズムによって除去し、人々の歩く方向や速度などを測定する。

データはWi-Fi経由でDensityのクラウドホスト型バックエンドに送られ分析される。リアルタイムの人口密度や時系列的な群衆サイズをウェブダッシュボード、SMSメッセージ、サイネージ、モバイルアプリで提供する。これらのデータをサードパーティのアプリやサービス、ウェブサイトが新しい方法で利用できるようにするためのAPIも用意されている。

Densityのクライアントである大手製薬会社は、トイレの清潔を保つために同社のセンサーを利用し、70回の使用ごとにクリーナーを稼働させている。配車サービス大手のUberはサポートセンターの1つでこのセンサーを活用し、適切な従業員数が配置されていることを確認している。他にも避難訓練中に最も使用されている出入り口を特定したり、火災時にオフィスの最上階にいる人数を推定したりといった応用例がある。

Farah氏によれば、Densityの赤外線追跡方法は他よりも大きなメリットがあるという。それはプライバシーだ。セキュリティカメラとは異なり、同社のセンサーは追跡される人のジェンダーや人種を特定しない。顔認識も行わない。VentureBeatの過去のインタビューで彼は次のように述べている。

カメラを使う方がはるかに簡単です。しかしカメラのデータは一方向に偏りすぎていると思います。

センサーは1台あたり895米ドル。データへのアクセス利用料は月払いまたは年払いとなっている。

パンデミックの当初Densityの売り上げは減少した。というのは多くの潜在的顧客が一時的に営業を停止したからだ。しかし最近では注文が増加し、ニューヨークのシラキュースでの製造を9割拡大している。

Farah氏によると、Densityは現在、「エッセンシャル」と呼ばれながらもソーシャルディスタンシングを遵守しなければならない事業、たとえば食料品店などを対象にマーケティング活動を行っている。販売チームを拡大し、さらなるソフトウェアならびにプラットフォーム開発を計画している。

DensityのシリーズCラウンドはKleiner Perkinsがリードし、01 Advisors、Upfront Ventures、Founders Fund、Ludlow Ventures、Launch、LPC Ventures、個人投資家のAlex Rodriguez氏、Alex Davis氏、Kevin Hartz氏・Julia Hartz氏夫妻、Cyan Banister氏・Scott Banister氏夫妻が参加した。 Densityの設立は2014年で、シラキュースとサンフランシスコのオフィスに50名以上の従業員を抱えている。

※本稿は提携するVentureBeat記事の抄訳です

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】