出稼ぎ労働者にフォーカスしたeウォレット「Instapay」が解決する“口座問題”

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Instapay Technologiesウェブサイト

ピックアップ:Instapay Technologies Revolutionises Financial Inclusion for Foreign Migrant Workers

ニュースサマリー:マレーシアのフィンテック・スタートアップInstapay Technologiesは7月6日、出稼ぎ労働者に特化したeウォレット・サービスInstapay のローンチを発表した。同社は金融サービスへのアクセスが制限されている出稼ぎ労働者達の課題解決を目指している。

重要なポイント:マレーシアでは現在労働人口の約15%が海外からの出稼ぎ労働者と言われており、その数は増加傾向にある。出稼ぎ労働者は国内において、銀行口座を作る要件が必ずしも満たせないため、自国の家族などへの送金に際し、手間や費用などの面で課題を抱えているケースが多い。

詳細情報:Instapayでは一般的なeウォレットの機能である、QRコードによる支払いや個人間送金に加え、以下のような出稼ぎ労働者が抱える特有の問題に対応するための機能を用意している。

  • マレーシアの銀行Bank Negara Malaysiaの認可済みの両替・送金業者IME-Ria Moneyと提携し、アプリ内から海外への送金に対応。自国の銀行口座や・現地の送金業者などに向けて送金を可能としている。
  • Mastercardと提携し、各自のInstapayアカウントと紐付いたInstapayカード(クレジットカードと同サイズの物理カード)を発行。ATMなどから自分のeウォレットへアクセスし、現金の引き出し・預け入れができる。
  • Instapayを使用したATMからの現金引き出し時の手数料は1リンギッ(約0.24ドル)と、同国相場の10リンギットと比較すると大幅に低価格となっている。
  • 出稼ぎ労働者が多い国の言語を中心に9つの言語(英語、マレー語、バングラ語、ネパール語、タミル語、タイ語、ビルマ語、ウルドゥー語、ベトナム語)をサポート、英語やマレー語の金融用語が分からないユーザーでもアプリが利用しやすいよう配慮されている。
  • Instapayを使用して給与の支払い・管理が行える雇用者(企業)向けアカウントも作成できる。そのため、事務処理の効率化や管理コスト削減といった点から給与の支払いがInstapayで行われるようになれば、ユーザーは給与の受け取りから自国への送金がInstapayアプリ上の操作だけで完結可能となる。

背景:マレーシアではインドネシア、バングラデシュ、ネパール、フィリピンなど周辺アジア諸国を中心に、15カ国からの出稼ぎ労働者を受け入れている。世界銀行のレポートによれば、マレーシアの出稼ぎ労働者の多くは月収が650米ドル以下となっている。また、自国への送金額の観点では個人で差はあるものの、製造業で働くベトナム人労働者の場合は平均して月額200ドルを母国に送金しているとされる。