株式投資型クラウドファンディング「イークラウド」で、第1号案件「地元カンパニー」の投資申込が募集上限の5,000万円に到達

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Image credit: Ecrowd

イークラウドは27日、同社が運営する株式投資型クラウドファンディング「イークラウド」の第1号案件で7月29日に開始した「地元カンパニー」の資金調達プロジェクトで、投資申込が当初目標額の3,000万円を大幅に上回り、募集上限の5,000万円に達したことを明らかにした。募集上限に達したため申込受付は早期終了しているが、イークラウドでは内規と投資家保護を意図した法令の関係から、一定期間、投資家からのキャンセル待ち期間を設けているため、約定は9月9日となる予定。

イークラウドによると、これまでに312人から投資申込があったという。この数字はキャンセル待ち期間中に増減の可能性はあるが、平均すると、一人あたり16万円程度の出資意向を表明したことになる。投資家のデモグラフィックは現時点で全て明らかにはなっていないが、地元カンパニー代表取締役の児玉光史氏に近いと思われる支援者は見られるものの、多くは全国一般からの応募とのことで、イークラウドでは、これまでの投資商品やエンジェル投資でもない、新しいお金の流れを作れることが証明できたと強調している。

長野県上田市に本拠を置く地元カンパニーは「ギフトによる地方創生プラットフォーム」をうたい、全国の地域産品を扱うカタログギフトやその管理システムを運営するサービスを提供。創業8年目を迎える同社は今年度の年商1億円超を見込み、売上の8割が法人、法人売上は3年で5倍以上に伸ばしている。代表を務める児玉光史氏の実家はアスパラガス農家で、既存株主の株主優待に収穫物が贈られる点もユニークだ。以前には星野リゾートの星野リゾート代表取締役の星野佳路氏も、「気になる会社」として紹介している

Image credit: Jimoto Company

地元カンパニーはこれまで大掛かりなマーケティングは行っておらず、ほぼオーガニックな顧客流入に依存しているため大きな伸びしろが期待できる。同社では今回調達する資金を使って、ウェブマーケティングの強化、長野県上田市における拠点開設によるオペレーションの拡大、商品ラインナップの拡充(生産者の開拓)、企業からの引き合いを現在の10倍に増やすため営業体制を強化する。2025年度には、売上規模で現在の約50倍にあたる48億円を目指す。

生産者(農家や漁師など一次生産者のみならず、商品の加工業者も含む)から贈答先に直接商品が送られるという点では、今週資金調達を発表したポケットマルシェの B 向け版と捉えることもできる。数ある選択肢の中で商品を選んでもらうには生産者によるアピールがカギで、地元カンパニーでは、生産者に商品をスマートフォンで撮影してもらうなどして、ユーザ(潜在的購入者)を魅了するコンテンツ作成にも注力を始めているそうだ。

児玉氏によれば、地元カンパニーが扱うギフト商品は食料品が多いため、その特徴的な価格構造から大々的な営業やマーケティング活動はコスト面で限りがあるとしながらも、最近では自動車メーカー、ビールメーカー家電量販店などが購入者向けのキャンペーンに地元カンパニーのサービスを利用する事例が出てきていることから、幅広い需要の開拓を求めて広告代理店などへの営業活動にも力を入れていきたいとしている。

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