12億ドル収益のゆくえ、Appleは独禁法違反なのか【Fortnite(フォートナイト)戦争】(2/2)

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EpicがAppleを非難する動画の一場面
Image Credit: Epic Games

かつてを彷彿とさせる出来事

(前回からの続き)GamesBeatのインタビューにて、独占禁止法の専門家であるHolland & Hart所属の弁護士Paul Swanson氏は、今回の事件は1990年代に生じた連邦政府とMicrosoftとの間での独占禁止法訴訟を彷彿させると述べた。

というのも当時、MicrosoftがWindowsにおいてあるアプリケーションを意図的に遮断した際、同社はその競合となるアプリケーションを開発し、所有していた。しかし今回のAppleのケースでは、Epic Gamesの競合となるアプリは所有しておらず、その面で異なっているとPaul氏は指摘する。

「Appleは競合のアプリケーションを所有していないため、1990年代にみられたマイクロソフトと独占禁止法のケースとは大幅に違ったストーリー展開をみせることになるでしょう。だからこそ、今回のケースはEpic Gamesにとって苦戦を強いられるかもしれません」。

つまり、Appleは競合他社を陥れようとしているのではなく自社の運営ポリシーを守ろうとしていると捉えることができる、ということだ。Epic Gamesは同社の主張としては、Appleが持つ15億人のユーザーにリーチする現実的な代替手段はなく、最終的に消費者へしわ寄せがくるといったものだ。Appleは同社ストアが独占しているわけでなく、実際GoogleのAndroidの方がマーケットシェアが高いと主張できるが、Epic Gamesは両社ともに訴訟している状況となっている。

Paul氏はAppleとGoogleの「なれ合い」が証明できれば勝てる可能性があるとしている。

しかし、そうした根拠を得るのは簡単ではないだろう。同氏は、高い価格設定(手数料30%)は市場独占の兆候であるとしつつも、必ずしも法的な独占禁止法違反とはならないと述べる。

Appleは今まで、あらゆる競合他社との闘いを勝ち抜きiPhoneやそれに準ずるApp Storeを成功に導いた。Consumer Intelligence Research Partnersの調査によれば、米国市場においてiOSは44%のマーケットシェアを有しているが、Googleのアンドロイドは56%という状況だ。また、世界をみればiOSはたった14.6%のシェアで、アンドロイドは85.4%となっている。

デベロッパーツールに関わる争いについて、Paul氏は以下のように述べる。

「ただ果たしてAppleは『Epic Gamesが私たちのポリシーに従わない?なら、追い出せばいいじゃないか』、と発言する権利を持っているのでしょうか?また、独占禁止法は法的にそうした行為を違法と判断することができるのでしょうか?私の意見ですが、おそらく法的にAppleは違法な行為をしていないと判断されるでしょう。それは、実際にAppleがEpic Gamesの競合と判断されることはないからです」。

しかし、いかにAppleが法に触れていないと判断されたとしても、同社の判断が開発者コミュニティーにとって賢明だったかどうかは別の問題だと言えるだろう。Epic GamesのCEO Tim Sweeney氏は今年2月のスピーチにて、同社は他者が30%の手数料を強いられている中、自社だけが得をするような取引はしないとの見解を示していた。

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Epic GamesはAppleが描いた「1984」を風刺した
Image Credit: Epic Games

Paul氏は「両者の争いは早々に決着がつく」と述べ、今後の独占禁止法の扱いについて重要なターニングポイントとなるとの見解を示した。

多岐にわたる問題点

両者の間には様々な問題が複雑に絡んでいる。Fortnite(フォートナイト)はSeosor Towerの調べによれば、App Storeのみで12億ドルの取引量を誇っていることが明らかとなっている。つまりAppleは、そこから約3億6000万ドル近くの収益を生み出していることとなる。反してGoogleのPlay Storeでは、1000万ドル程度の取引量のため、Google自体には300万ドルほどしか手数料が収益として発生していないことになる。

Fortniteは今までにApp Storeで合計約1億3320万インストール、Play Storeで約1100万インストールを記録している。大きな差が開いているのには、Googleはストア外からのアプリインストールを認めており、Epic公式サイトからのダウンロードが多くを占めていることが想定されるからだ。それでも、やはりEpic GamesにとってAppleのプラットフォームの重要度が高いことに変わりないだろう。

同社は金曜日に、現在実施されているトーナメント #FreeFortnite カップに関して、以下のような声明を出している。

「ユーザーの皆さんへ。Fortniteのコミュニティーが一つとなって一緒に遊べる最後のトーナメントになるかもしれません。#FreeFortnite への参加をお待ちしています」。

Appleは既にFortniteをストアからブロックしているため、Chapter2・Season4が27日に始まれば、iOSユーザーは一時的に置いていかれる形となる。Epic Gamesはもちろん、法廷での勝利を目指しているが、それと同時に独占禁止法のあり方について世論へ問いかけているようにも思える。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】