チケットストリートが不正チケットの転売仲介疑い、代表ら書類送検【コメント追記】

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チケットストリートウェブサイト

ニュースサマリ:チケットの不正転売を仲介したとして、兵庫県警は8月24日、盗品等処分あっせんの疑いでチケットの個人間売買サービス「チケットストリート」代表取締役の西山圭氏ら社員4名を書類送検した。産経新聞などの報道機関が報じている。

報道によると、チケットストリート側は歌手の吉田拓郎さんのコンサートチケットを不正に転売する目的で入手・出品したことを認識しながら出品を取り消さず、手数料を入手したとしている。同容疑を適用して転売サイトを立件するのは全国で初の事例となる。

話題のポイント:ショッキングなニュースです。チケットの個人間売買は転売問題との戦いでしたが、残念ながら課題解決のハードルは想像以上に高かったようです。本誌ではこれまでもチケット個人間売買サービスの取り組みについては事業者側の視点で取り組み内容を伝えてきました。特に西山さんはスポーツ、エンターテインメントのチケット流通のあるべき姿を追い求めていた一人です。彼はしばしば、このテーマに存在する問題点を丁寧に解説してくれていました。

振り返ればチケットの個人間売買は「ファンビジネス」の特徴からか、これまで多くの問題を抱えてきました。チケットキャンプで発生した「チケキャン・ショック(2017年末に家宅捜索・最終的には不起訴処分)」などの問題をきっかけに議論が高まり、2019年6月に施行された「チケット不正転売禁止法」でそれまで曖昧だったグレーゾーンの問題が解決されています。

チケットストリートや西山さんはこういった数々のハードルを乗り越えて昨年、念願だったパ・リーグ3球団との提携をなんとか勝ち取り、今年からは年間指定席を購入している法人も出品可能になるなど「観たい人が適正にチケットを入手できる」世界観を作ろうと積み上げていました。

以前、西山さんは「チケット不正転売禁止法」の解説で明確に不正の白黒がはっきりしたと言及されていました。今回、それがなぜ立件にまで至ったのか。本誌では本件について同社にコメントを求めていますので届きましたら追記したいと思います。

25日13時:同社広報から回答がありましたので追記しておきます。

以前の取材にて西山さんはチケット不正転売禁止法にてご解説いただくなど、チケットの不正転売については熟知をされている認識でした。今回、なぜ立件にまで至ったのか見解を教えてください

立件については警察の判断でございますので、当社としてはコメントできる立場にないと考えます。弊社としては書類送検の事実を受け止め、今後の捜査に協力してまいります。

チケットストリートの今後の運営にはどのような影響があるのか教えてください

今回の書類送検に関して、弊社サービスをご利用のみなさま、取引先など関係者のみなさまに、ご心配をおかけしたことをお詫び申し上げます。弊社としては、今後とも不正転売排除のための取り組みをより強化しながら、安全なチケット取引のプラットフォームを提供するよう運営して参る所存です。

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