インドネシアのOTAユニコーンTraveloka、新型コロナに伴う旅費の返金総額が100億円超に

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インドネシアのオンライン旅行代理店(OTA)ユニコーン Traveloka は、新型コロナウイルス感染拡大の始まりから受け付けた約100万件のの航空券の払戻要求の90%に対応完了したことを明らかにした。

ジャカルタのスカルノ・ハッタ国際空港で国外へ向かう旅行者に対し、マスクを配布する Traveloka の従業員
Image credit: Traveloka

East Ventures の共同創業者 Willson Cuaca 氏によれば、返金総額は1.4兆ルピア(約101億円)に上るという。East Ventures は Traveloka の初期投資家である。

Cuaca 氏は、Traveloka のほとんどがプラットフォーム上の航空会社の処理フローに依存しており、これが払戻プロセスが複雑にしたと指摘した。また、Travelokaは、払戻の形態(トラベルバウチャーなど)や待機期間など、パートナーが定めたポリシーを遵守する必要があったと述べた。

Traveloka の交通マーケティング責任者 Andhini Putri 氏は、今年2月以降、払戻や予約変更のリクエストが10倍にも増加していると Tech in Asia に語った。これに対処するため、同社はバックエンドシステムを強化し、スタッフの半分以上をリクエスト対応に配置する必要があった。

この対応により、我々が受け取った90%以上の返金要求をクリアすることができた。我々のパートナーがさらに多くのリクエストを処理し、確認できるのを待っているところだ。

Traveloka は先月末、バランスシートを強化し、選択された優先分野の提供を目的に2億5,000万米ドルの資金調達を実施したことを明らかにした

この資金調達に際し、新型コロナウイルス感染拡大に伴う移動制限から、同社はビジネス活動の歴史的な落ち込みを目の当たりにした。しかしながら、Traveloka は国内や短距離旅行、アクティビティ予約で事態の回復が見られ始めた、とも語っていた。

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Putri 氏は、Traveoka がさらなる戦略的な決定を下すために、まだ状況を注意深く監視していると述べた。また、特に払戻やスケジュール変更のリクエストについては、システムやプロセスの改善を継続的に行っている。

これは、将来同様の状況が発生した場合に備えて、先手を打つための取り組みの一環だ。(Putri 氏)

オンライン旅行代理店は、旅行業界全体と同様、新型コロナウイルスの影響を受けている。東南アジアで幸運に恵まれなかったプレーヤーの1つは Airy である。同社は恒久的に業務のシャットダウンを余儀なくされた

中国の主要プレーヤーである Ctrip(携程)は、感染拡大と米中の緊張が高まる中、NASDAQ からの上場廃止を検討している。

MDI Ventures の投資担当ヴァイスプレジデント Aldi Hartanto  氏は以前、 Tech in Asia とのインタビューで、オンライン旅行代理店が危機を乗り切るためには、少なくとも18ヶ月間のランウェイ(資金枯渇までの猶予期間)を確保するか、緊急資金調達を行うか、あるいは大手と合併する必要があるだろうと語っていた。

【via Tech in Asia】 @Techinasia

【原文】

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