
中国の動画配信プラットフォーム「iQiyi(愛奇芸)」は13日、同社が2019年の収益を最大40%も水増ししていると非難した4月発表の短い報告書をめぐり、アメリカ当局の調査を受けていることを明らかにした。
重要視すべき理由:飲料チェーンの Luckin Coffee(瑞幸咖啡)が4月、2019年に総額約22億人民元(約336.5億円)の取引を捏造を認めたことを受け、アメリカの規制当局は中国企業に対する不正会計疑惑をより積極的に調査している。
- 議員らが監査要件の厳格化を求めていることから、アメリカは中国企業への精査を強めている。トランプ大統領は最近、アメリカの会計基準に準拠していない中国企業を国内の証券取引所から上場廃止にすると警告した。
詳細情報:Baidu(百度)が支援する iQiyi は、2018年1月からの財務・営業記録を求めている証券取引委員会(SEC)の調査に協力していると、13日に発表した第2四半期の業績に関する声明の中で述べた。
- また、アメリカ金融市場規制当局のトップは、「ショートセラー(疑わしい銘柄の報告書を出すと同時に空売りをかけ利益を狙う投資会社)の Wolfpack Research が2020年4月に発表した報告書に書かれた特定の買収や投資に関連する文書」も求めているという。
- Wolfpack Research の報告書が発表されてまもなく、iQiyi は主な疑惑について内部調査を実施するためアドバイザーを雇ったと述べている。
規制当局の調査を受けているとの情報開示を受け、iQiyi の株式は13日に19%も急落した。
背景:4月には Muddy Waters Research が Wolfpack Research の報告書へのリンクをツイートし、iQiyi が2019年の2019年の売上を27%から44%に膨らませ、ユーザ数を42%から60%に誇張していたと主張した。
- 当時、iQiyi は声明で、報告書には「多数の誤り、根拠のない記述、誤解を招く結論と解釈が含まれている」と述べていた。
- CNBC は5月20日、上院がアメリカの規制基準や監査基準を守らない外国企業の取引所への上場やアメリカの投資家からの資金調達を禁止する法案を全会一致で可決したと報じた。
- フィナンシャル・タイムズ紙によると、今月初め、トランプ政権は、中国企業がアメリカの会計基準に準拠していない場合、アメリカの証券取引所から追放する勧告を発表した。
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