
ゲーム業界に新たなユニコーンの登場だ。Playcoは多種多様なプラットフォームで展開するインスタントゲームを拡大させるため、このほど10億ドルの評価額で1億ドルを調達した。
ウェブリンク上でプレイし、どのプラットフォームでも動作するインスタントゲーム用のウェブブラウザゲームエンジンを開発している企業としては破格の高評価だろう。業界では「ポスト・アプリストア」の世界が議論されており、何十億人ものプレイヤーにリーチする可能性を秘めたゲーム配信の完璧な受け皿としてインスタントゲームはその候補になっている。
投資家陣も豪華だ。Sequoia Capital Global EquitiesとMino Gamesの創業者、Josh Buckley氏がラウンドを主導し、Sozo Ventures、Raymond Tonsing氏のCaffeinated Capital、プロ・サッカープレーヤーの本田圭佑氏が率いるKSK Angel Fund、孫泰蔵氏のMistletoe Singapore、Digital Garage、Will Smith氏のDreamers VC、Makers Fundがラウンドに参加した。
対象となるプラットフォームはクラウドストリーミング、Google Play Instant、iOS App Clips、Facebook Instant Games、Snapchat Minisなど。Playcoはゲーム開発、バックエンドインフラとアナリティクスを提供し、多数のインスタントゲームプラットフォームにゲームを配信することになる。PlaycoのCEOであるMichael Carter氏は本誌・GamesBeatのインタビューでインスタントゲームについてこう語る。
「インスタントゲームとは何か。xCloudのようなクラウドストリーミングであれ、Google Stadiaのようなクラウドストリーミングであれ、様々なテクノロジーがあります。ウェブアセンブリやJavaScriptを使用してウェブ上で動作させることもできますし、Google Instant Playだけでなく、iOS 14に登場したiOS App Clipsも非常に興味深いものです。インストールする前にゲームをプレイすることができますからね」。
さらに、彼はテック巨人たちの動きをこのように分析する。
「Microsoft、Facebook、Apple、そしてGoogleなど、あらゆる大手テック企業がこの種のテクノロジーに大々的に投資しています。一方、実はこの新しいシフトにおけるキラーゲームは何かという問いに答えることに集中している会社はありません。私たちは、コンテンツ企業としてこれを追いかけようと決めたのです」。

東京に拠点を置くPlaycoには、オープンソースの接続プロトコル「WebSocket」の開発者であるCarter氏や、Zyngaの共同設立者であるJustin Waldron氏、元DeNAで怪盗ロワイヤルを作った大塚剛司氏、HTML5ゲームのパイオニアであるTeddy Cross.氏など、注目度の高いリーダーが集まった。
こういったPlaycoの専門性は新しいコンピューティング・プラットフォームの構築におけるCarter氏のバックグラウンドと、Zynga Pokerのような大規模なソーシャルゲーム体験を通じてプレイヤーを繋いできたWaldron氏の経験が融合して実現した。2011年にCarter氏はPlaycoと同様のビジョンを共有する企業「Game Closure」を立ち上げており、Waldron氏はそこのアドバイザーを務めていた。
「ゲーム市場を拡大し、より多くの人にゲームをプレイしてもらう。それが会社の使命です。遊びを通じて世界をもっと身近にしたいのです」(Carter氏)。
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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