
ウルトラワイドバンド(UWB)にWi-Fi、Bluetooth
(※編集部注:この記事はAppleの発表会の直前に公開されたJeremy記者の考察コラムです)
(前回からのつづき)iPhone 12発表会では、5GとA14 Bionic以外にもおそらくいくつか新機能の発表があることは予想できる。
ウルトラワイドバンド:2019年9月、アップルは謎の新しいU1チップをiPhone 11に実装し、詳細な位置情報提供に留まらず、将来的には「驚くべき」新機能へ繋がると説明していた。しかしそれ以降話題に上がることはなく、先月のApple Watch Series 6で久々に登場した。強いて言えば、iPhone 11でエアドロップを利用した際の転送リンクアップに役立っているくらいだろう。注目すべきなのは、U1は2020年に発表されたiPhone SE, iPad Pro、iPad Air、iPad、またApple Watch SEでは触れられておらず、Appleにとっての重要度が下がっていることだ。
そのため、U1はAppleの位置情報追跡機能を支えるために活用され、噂されるApple Tag・AirTagsなどで登場するのではないだろうか。同社ウェブサイトの「Hi, Speed」グラフィックはパック型のTagをベースとしているとの憶測も飛んでいる。
Wi-Fi 6E: AppleはiPhone 11でWi-Fi 6サポートを発表し、最新のiPadは同様の規格を採用、かつデュアルバンド(2.4GHz、5Ghz)にも対応している。その最新版となるWi-Fi 6Eは既に発表されており、特定地域でより速い接続を可能とするという。しかし、iPhone 12で採用となるかはまだ未定だが、Qualcomnが既にリリース済みなことを踏まえれば可能性はあるだろう。
Bluetooth 5.2:Wi-Fi 6Eと同じQualcomnチップには、最新のBluetooth 5.2が実装されており、LE Audioと呼ばれる新機能が追加されている。これは、バッテリー消費を抑え、従来の約半分の遅延クオリティーを実現している。こちらも、iPhone 12で実装されるかは未定だが、可能性は高いと言えるだろう。
5Gの先に
iPhone 12自体にはそこまで期待は高くないものの、AppleがiPhone 12を中心に一体どういった発表会を作り上げるのかにはとても興味がある。確かに5Gネットワークはそこまで完ぺきではないものの、デバイス自体の満足度は非常に高くなるのではないだろうか。とはいえ、今この時点で5Gデバイスを買う必要はあるのだろうか?という疑問が湧くのは当然だろう。
一方、iPhoneのようなブランドデバイスの場合、新機能はやはり大きなセールスポイントになる。
それを踏まえると、近年のAppleは将来のテクノロジー発展を踏まえた戦略を歩んでいるように思える。3D Touchや次のビッグウェーブのためのLidar、U1などがその典型例だろう。だからこそ、発表会では5Gが一般的になった世界でどういったソフトウェアやサービス体験を計画しているのかについて触れられることを期待している。
FaceTimeやAR、CPU、GPUs、ワイヤレスチップやカメラなどが5Gを通してさらに進化することは疑いの余地がない。現時点における課題は明確で、いったい誰が、そしてどのように5Gネットワークを大規模構築していくのかである。4Gより少々パフォーマンスが改善された5Gなど、だれも望んでいないのだから。
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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