Boston Dynamicsとロボット近未来:次に狙うは「ロジスティクス」市場(2/4)

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Image Credit:Boston Dynamics・YouTube

※編集部注:本稿はVentureBeat編集部によるBoston Dynamicsトップ・インタビューのつづき(前回はこちらから

ロジスティクスロボット

この目標を達成するために、Boston Dynamicsは同時にロジスティクス(生産、包装、在庫、輸送、および倉庫管理)用のロボットも開発している。

「率直に言って、物流産業から大きな注目を集めています。私たちは成功に向かっていると確信しています。こういった事業にフォーカスするのは初めてですが、非常に上手くいっていると思います。ただ、世界中のAtlasにバク宙させつつ、かつ限界に挑戦するという、全てのことを1つの企業が共存させられるのでしょうか?今のところは順調です。ですが、さまざまなスキルを持ったロボットを1つの企業に共存させることは私たちの前に立ちはだかる課題だと考えています」。(Playter氏)

「Handle」は2022年のローンチを予定

Raibert氏はインタビューの中で、同社の次期ロボット3つを今日(Spot)、明日(Handle)、未来(Atlas)という風に時間を変えて例えた。Raibert氏がHandleを「明日」のロボットと呼んだのは、当時はその出荷を2021年と予想していたからだ。同社は発売日を少なくとも1年は遅らせることにしている。

「私たちは2022年発売バージョンのHandleを構築しています。これらのマシンのプロトタイプを使って共に試験を行う顧客を確保しています。しかし、現在は製造の規模拡大に向けて設計しており、最初に利用可能になるのは2022年ごろだと予想しています」。(Playter氏)

スケジュールがずれ込んでいるように見えるが、Playter氏の認識は異なる。

「Handleは実際には遅れていません。Handleのデザインを新しくしようと考えています。商品化する前にデザインを変更する必要があると判断しました。そういうことなので、遅れているわけではないのです。私たちはやりたいことを正確に再考しました。そして今、私たちは設計を繰り返し、製造の準備を始めています。これには時間がかかります。製造に向けて求められる信頼性に適った設計をするには、数年かかかるのです」。(Playter氏)

Boston Dynamicsは、再設計されたHandleの外見を共有する準備がまだできていない。同社はそれを「2021年のいつか」に公開する予定だ。大まかに言えば、設計変更によりロボットは「ロジスティクス環境でより高速かつ効率的に」なるとPlayter氏は約束した。

Boston Dynamicsが実際に次に狙っているのはロジスティクスだ。

「ロジスティクスの機会は大きいです。トラックの後ろ、倉庫、コンベヤーの端など場所に関係なく箱を持ち上げたり置いたりできる最初のケースピッキング用移動ロボットを作る予定です。基本的に、倉庫内のあちこちで必要となるようなボックスピッキングタスクはどれでも、Handleで実行できると思います」。(Playter氏)

今の「Pick」

しかし、それは早くても2022年になる。それまでの間、Boston Dynamicsはデパレタイズビジョンシステムとコンピューターである「Pick」を7万5,000ドルで販売している。Pickはロボットではない。既存の商用ロボットに取り付ける必要がある。複数の企業が、Boston DynamicsのPickを使用する統合ロボットセットアップを20万ドルから40万ドルで販売している。

HandleはPickの移動版だ。ではPickは不要になるのだろうか?

「Pickは世界中でその地位を確立すると思いますが、長期的には、Pickが行うことを実行できる移動型のロボットがあれば、Pickに取って代わることになると思います。

問題は、今そのアプリケーションが必要なことです。最終的に、固定位置でのデパレタイズ、またはパレタイズロボットの市場は限られています。これは、そうした仕事をロボットにさせようと思える場所が限られてくるからです。しかし、移動ロボットなら、すぐにいろいろな場所で仕事をすることができます」。(Playter氏)

移動ロボットは固定ロボットよりも当然優れているが、コストのトレードオフがある。

「ええ、でも最終的にはコストがそれほど高くなるとは思いません。確かに複雑ではありますが、私たちはコストをなんとかすることができると思います」。(Playter氏)

Pickはロボットではないかもしれないが、ロジスティクス分野でのBoston Dynamicsの最初の製品であり、注目を集めている。

「Pickの目的は、高度な機械学習ベースのビジョンシステムを使用してパレットを確認できるようにすることです。これにより、これまでに見たことのないボックス、またはいわゆる混合SKUパレット(異なる種類の製品が混在したパレット)を拾い上げることができます。それに対処するには、高度なビジョンシステムが必要です。しかし、初期の販売では、より確立された競合に打ち勝っています。そして素晴らしいのは、PickもHandleが使用するものと同じビジョンシステムを使用することになる点です」。(Playter氏)

Handleがローンチすれば、床にボルトで固定されたPickが担うのと同じタスクを移動ロボットが実行するようになる。Boston Dynamicsは移動ロボットの準備が完全に整う前に、Pickとの信頼関係を確立している。(次へつづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】