中国のフィンテック大手「Lufax(陸金所)」、NY証取上場で23.6億米ドルを調達へ

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Image credit: Lufax(陸金所)

ニューヨーク証券取引所のウェブサイトによると、上海に拠点を置くレンディングとウェルスマネジメントのユニコーン Lufax(陸金所)は、同証取への上場で23億6,000万ドルの資金調達を目指している。

重要視すべき理由:Lufax は、今秋アメリカの証券取引所で数十億米ドルの資金調達を目指す中国のフィンテック企業2社のうちの1社だ。一方、中国のテック企業にはアメリカの規制当局からの監視の目が厳しくなっており、中国は国内テック企業の海外上場を阻止しようとしている。

  • Ant Group(螞蟻集団)は NASDAQ に上場するための目論見書の草案を提出しており、史上最大級の IPO となる可能性がある。
  • 上海証券取引所に NASDAQ 型のテック株特化市場「STAR Market(科創板)」では IPO ルールが緩和された。これは、中国のテック企業が海外に上場しないようにすることを目的としている。

詳細情報:Lufax は10月初旬に株式公開を申請したが、詳細は公表されていない。

  • 中国の保険大手 Ping An(平安)に支援を受ける Lufax は、11.50ドル〜13.50ドルの価格帯で17万5,000株の米国預託証券(ADR)を売却する見込みで、これにより高値圏では23億6,000万米ドルを調達することになる。
  • 主幹事証券会社は、Goldman Saches、Bank of America Securities、UBS Investment Bank、HSBC、China PA Securities(中国平安証券)。
  • 米証券取引委員会(SEC)への提出書類によると、Lufax の2020年上半期の純利益は前年同期比2.8%減の72億7,200万人民元(約1,138.8億円)となった。同期間、同社の総収入は9.45%増加したという。

背景:Lufax は2011年に Ping An が P2P レンディング会社として設立したが、徐々にウェルスマネジメント事業へと事業拡大してきた。

  • 2020年6月30日までの半年間では、同社プラットフォームの収益の3.5%未満がウェルスマネジメントサービスからのものだった。
  • 報道によれば、Ping An は数回の投資ラウンドを経て、現在は Lufax 株式の43%を保有している。
  • スタートアップ情報サイト「Crunchbase」によると、Lufax はこれまでに30億米ドルを調達している。2018年の最新の資金調達ラウンド後には、評価額が380億ドルに達したとロイターが報じた
  • 4月には、アメリカ上場の中国のコーヒースタートアップ Luckin Coffee(瑞幸咖啡)が22億人民元(約334億円)の売上高を捏造していたことを認めた。その後、ストリーミングプラットフォームの「iQiyi(愛奇芸)」と教育プラットフォーム「GSX Techedu(跟誰学)」は、いずれも SEC による不正行為の調査を受けていることを認めている。
  • アメリカ議会はアメリカで上場する中国企業に対する規制監視を強化する法案を提出しており、アメリカ大統領が招集した作業部会は SECに対して同様の勧告を行っている。
  • 規制当局の監視強化の見通しは、中国のテック企業のアメリカ資本市場への進出を止めてはいない。EV メーカーの Xpeng Motors(小鵬)Leading Ideal(理想汽車)は第3四半期にアメリカで株式を公開した。
  • JD.com(京東)のフィンテック部門「JD Digits(京東数字科技)」は、上海 STAR Market への上場を計画している中国のテック企業の一つだ。

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【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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